約 1,236,990 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/700.html
※このSSはゆっくりが酷い目に合います。なお虐待描写は薄めになっております 『ゆっくり競泳』 夏 日差し 暑い この条件から導きだされる田舎暮らしの考えは只一つ。川に涼みに行く とりあえず準備でもするかな おおあついあつい。そんな声が聞こえるあぜ道を虫取り少年のような格好で歩く。ちなみに俺は青年だ あの森の中央には平野があり目的地の清流の川が流れている。あともう少しというところだろう 実は涼みのついでにもう一つ目的がある。あの川では苔も良く育つため鮎が住み着いているのだ この時期なら塩焼きも良いが天ぷらにも出来る。そのために俺はわざわざ重たいテンプラセットを担いで行く そう思うと気持ちがはやる。俺は木漏れ日の中で足どりを速めた 川について俺は軽くため息をついた どうやら俺以外に人の姿は見当たらない。さっそく川岸に腰を下ろし鮎釣りの準備をする しかし鮎の影が少ない気がする。まぁこんな年もあるのだろうと特に気にも留めず釣りを始めた 釣果はまぁまぁといった所だ。これだけ有れば十分だろう そして一度川から離れて荷物置き場へ行くと後ろからけたたましい叫び声が響いてきた 「ゆぐう゛っ!お゛お゛れ゛る゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!」 「まり゛ざがあ゛あ゛あ゛あ゛!だれ゛か゛だす゛けでえ゛え゛え゛!!!」 なんだこいつらは?見れば一匹のゆっくりまりさが帽子を船代わりにして川に浮かんでいる。だたし岩に引っ掛っており動けないらしい その岩には俺が捕まえた鮎を入れたバケツが繋がってる。ははあんなるほど。コイツら俺の鮎を横取りしようとしたのか 更に見たところまりさの帽子は半分沈みかけている。岩にぶつかった所為で帽子が曲がりそこから水が流れ込んでいる ちなみに連れとみえるれいむはただ見てるだけだ。枝でも使えば届く距離だろうに とにかく俺はバケツへと近づいていく 「ゆ゛!?おじさん!はや゛くま゛り゛さ゛をたす゛けて゛あ゛げてね゛!!!」 「ありがとうおじさん!かわいいまりさをたすけてくれるんだね!ゆっくりはやくするんだぜ!!!」 「おいれいむ。なぜまりさは川にはいったんだ?」 「ゆ?そんなのいいからはやくまりさをたすけてね!ぷんぷん!!!」 「ブブー!残念なお知らせがあります。お兄さんはれいむが答えてくれないのでまりさを助けてあげられません」 すると間をいれずにまりさが答えた 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛!?おにいさん!まりさはみずあびにきたんだぜ!」 「俺はれいむに聞いてるんだ。おいれいむ、まりさが死んでもいいのか?ちなみに嘘だったらお前も川にいれるからな」 「ゆ゛う゛う゛う゛………。ま、まりさはみずあびにきたんだよ!うそじゃないよ!おさかなさんなんてしらない!!!」 誰も魚なんて言ってないがな。まぁ最初から分かってたのでとりあえずまりさの髪飾りに釣り針をつける そして川にダイブ!!!……の一歩手前で釣り竿を固定する 「ゆ~!おそらをとんでるみた……ゆ゛!?おじさん!すいめんにちかづけないでね!」 「なんでだよ?お前らは川に水浴び来たんだろう?だったら水に触れたって大丈夫だろ」 「っ!?」 ゆっくりまりさとれいむは所詮饅頭だ。皮だってメリケン粉を練った物だし水をかければすぐにふやける この前子供達が水鉄砲でゆっくりを追いかけまわしていたからその事は良く知ってる さぁどうするかな? するとしばらくしてまりさが口を開いた 「おにいさん!まりさはやめようっていったんだぜ!でもれいむがまりさをおどしてさかなをとりにいかせたんだぜ!!!」 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛???どお゛じでそ゛んなごどいう゛の゛!!!」 「なるほど。ではまりさは悪くなくてこの糞饅頭のれいむが諸悪の根源なんだね?」 「ゆっ!そうだよ!こんなくそれいむはまりさのともだちなんかじゃないんだぜ!おにいさんはやくまりさをたすけてね!」 もはやれいむはあまりのショックに餡子が追いつかず黙って震えている。何でこんな奴が野生で生きれるんだか不思議君もびっくりだ 俺はまりさを陸に揚げながらそう思った。案の定まりさはニヤけた顔でれいむを罵倒している 「じゃあまりさはおうちにかえるかられいむはそこでゆっくりしんでね!」 「……ま、人間様を舐めるなよってね」と呟く俺はまりさを抱えた 「ゆっ?おにいさん!まりさはおうちにかえるんだよ!はやくはなしてね!」 「何言ってるんだい。まりさの大事な帽子がビチャビチャじゃないか。それだと腐ってしまうぞ。どうだい、お兄さんのおうちでゆっくりしないか?」 「ゆゆゆ!そうだね、おにいさんのおうちでゆっくりしてあげるね!」 「じゃあこのわるいれいむはどうしようか?」 「くそまんじゅうのびっちれいむはいっしょうそこでゆっくりしていってね!」 「そうだな。それじゃあいっしょに帰るか!まりさ!」 そうして俺は自宅へと向うことにした。その間まりさはずっとニヤニヤしてれいむの事を罵倒し俺は適当に相槌を打っていた 俺の背中のバッグは歪に膨れて震えていたがまりさはそんなこと気にも留めなかった (そういや結局テンプラセット使わなかったなぁ。まぁ家で塩焼きにするか) おおゆうやけゆうやけ。そんな声を聞きながら俺は帰途についた ドアを開けて家に入ると……なぜかゆっくりの声が聞こえた。家の中からだ 抱えているまりさをソファーに置いて待たせておくと台所へ向う。それはもう床が泥と何かでドロドロだった 「ゆっ、おじさん!ここはまりさのおうちだぜぇ!にんげんははやくでていくんだぜぇ!」 無言で捕獲and透明箱行き。そのまま居間に戻った 「おにいさん!そのまりさはなんなんだぜ?」 「これはね、悪いまりさなんだ。だからお兄さんがこうやって閉じ込めてるんだ。まりさはそんな悪いゆっくりじゃないよね!」 「ゆっ!そうだぜ!あんなくそれいむとはちがうんだぜ!」 (以下、川で会ったまりさはまりさA、この家に入ったまりさはまりさBと表記する) 「よしまりさA、お兄さんと晩飯にしようか!」 「そうだね!はやくゆっくりとごはんもってきてね!」 「おじさん!まりさBにもごはんたべさせるんだぜ!あとはこからゆっくりだすんだぜ!」 雑音は気にせず俺の晩飯と適当なおにぎりを作ってやる。そういや後で掃除しないとな 「よしまりさA、晩飯だぞ」 「ゆっ!おにいさんありがとう!」 「どお゛じでまりざBには゛ない゛のお゛お゛お゛!!!!!はや゛くし゛な゛い゛とゆっ゛く゛り゛ゆる゛さ゛な゛い゛がらね゛え゛え゛え゛!!!!! 「おお許さないだってさ、怖い怖い。飯は美味い美味い」 「そうだねおにいさん、こわいこわい」 「ゆぐう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!???」 「ゆっくりできないまりさBはそこでくやしがってるといいよ!ハフハフッ、めっちゃうめぇ!」 「ゆぬydfじおdfんvgdffgfニコウザdfくぁw★!?’&・1」 まりさBは箱を涎か汗か涙でグチャグチャに汚して何か叫んでいる。もちろん内側だけ汚れているので無駄なのだが そうやって俺とまりさAはまりさBを肴にしてれいむの事などを話しながら晩飯を終え、その日を終えた これが最後にゆっくりできる夜だとも知らずに…… 翌日、俺は起床すると玄関の棚を開けて食べ物をほり込んでやった そしてまりさA、Bを起こして朝食を開始する。やはり昨晩のようにまりさBを肴に(ry 「おなかいっぱいだなまりさA!じゃあお兄さんといっしょに遊びにいくか!」 「ゆ?まりさAはゆっくりするよ!しばらくまりさのおうちでゆっくりするね!」 一晩でおうち宣言である。しかし此処はなんとしても川に連れていかねばならない こっそりとまりさAに耳打ちする (あのわるいまりさBを処刑するんだよ!まりさAもいっしょに見たくないかい?) 「ゆゆっ!?おじさんあたまいいね!まりさもいっしょにつれていってね!」 大声で返事するまりさA。もはや昨日の礼など覚えてないようである。相変わらずニヤニヤしやがって フン、それももうすぐお終いだ おおいなかいなか、という声を聞きながら俺は川へと向う 昨日と違うのはまりさA,Bの同行と背中に入っている中身である 結局まりさAはまりさBとれいむの悪口ばかりを得意げに言いながら満足げに顔を反らせていた どうしてここまでブチ殺したくなるんだろう。稗田さんはその道のプロらしいが体が弱いとも聞く。不思議なものだ 今度たずねてみようか。土産は赤ちゃんゆっくりでいいだろう おっと川が見えてきたな。俺は腰を下ろして準備にかかった まず川の向こう岸とこちらの岸に平行になるように3本ずつ杭を打つ。同じ岸の杭の幅は一定にする そして向こう岸に対応する杭同士を縄で結ぶ。これで川の流れと真横に分割されたコースが二つ出来た つまりは水が横に流れる競泳プールの様なものだ。ちなみに距離は7~8mぐらいでバサロマークは無い 「よしまりさA、B。今からお前らに競争してもらう」 「ゆ?まりさAはまりさBのしょけいをみにきたんだぜ!そんなことしたくないぜ!」 「あぁルールを言ってなかったな。ルールは簡単!早く向こう岸に着いたゆっくりの勝ち。負けたゆっくりは処刑だ」 「「っ!!!!!!」」 まりさAは驚きを隠せないようだ。一方のまりさBは急な話だが、それでも少し希望が出てきたので目に光が戻った 「おじさん!まりさAはそんなことにつきあってられないよ!ゆっくりおうちにかえるね!」 「おいおいまりさA、お前が負ける訳ないだろ?相手は昨日からロクにメシをくってないんだぜ?楽勝だよ それにもしお前が勝ったらお菓子も沢山あげるよ」 「ゆっ!?そうだね!らくしょうだね!あとでおかしちょうだいね!」 「おうおう、頑張ってくれよ」 『此処で選手の確認をしましょう。こんにちは、実況のスイミング喜多です。 まずは1コースのまりさA選手。かなり余裕の表情です。確かにお肌のコンディングはばっちしでしょう。 一方の2コース、まりさB選手。体力に不安がありますが命が掛かった勝負、負ける訳にはいかない!そんな熱い心が伝わります。 さぁもうすぐ始まります第一回ユックリピックin幻想郷、水泳の部。勝利の栄光は誰の手に! それではここで審判長からの言葉です』 「えー今回のユックリピック競艇の部は全幻想郷水泳連盟の規則に乗っ取って行ないます。 今大会ではフォルススタートは即失格となりますので十分に注意するようにしてください。なお応援について(ry」 「いみわかんないよ!さっさとはじめてね!」 「そうだよ!はやくはじめてね!ぷんぷん!」 「そうだな。俺も一人じゃ疲れてきたよ。じゃあ準備はいいか?よぅい、セイッ!」←掛け声 ザァッ!スタートダッシュで先陣をきったのはまりさA、帽子を少し前に傾けて必死に枝で漕いでいる まりさBはやや遅れ気味ながらもまりさAの後ろにしがみ付いており両者の距離は縮まらない しかしまりさAが横に流されて進行方向が斜めになってしまった。その隙を逃さずまりさBは涎と汗と涙でグチャグチャになりながら漕ぐ だが急に力んだまりさBは相当体力を消耗したのかペースが落ちてきた。もう残り4分の3だが顔が半分死んでいる その間にもまりさAは進んで行く。やった、まりさAのかちだ。あのまりさBはゆっくりしんでね。そう確信して向こう岸へタッt―――― 「まりさ!ゆっぐりじでいってね!」 「ゆっくりしていってね!」 まりさAは向こう岸から聞こえたゆっくりの声に反応し、口を開けてしまった 口から落ちた枝は横に流れてゆき、まりさも横に流されるが体が縄に引っ掛りゴール前10cmで静止する 悲しいかな、枝は川に浮いてはいるが縄は水面よりも高い位置に張ってあるためそのまま下流へ流れて行く そして進む手段の無いまりさAを尻目にまりさBはゴールしてしまった そのとき見えた向こう岸には、あのれいむが居た。昨日死んだはずの、糞れいむが見えた 「どお゛じであ゛ん゛な゛ごどいう゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!ぐぞれ゛い゛ぶの゛ぐぜに゛い゛い゛い゛!!!!!!!!」 「はいまりさAの負けー。ざんねんでしたー処刑執行ー」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛な゛ん゛でな゛ん゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」 「なんでってお前負けたじゃん。ちなみに応援はOKだからなんの違反もないしな」 「あんなひどいこといったまりさAはさっさとくるしんでゆっくりしんでね!おにいさんがゆっくりたすけてくれたよ!」 そうなのだ。実は昨日れいむをこっそりカバンにつめて持って帰ったのである 帰宅後に玄関の下駄箱に入れてエサをやりながら待たせていた。もちろんその間にまりさAの罵倒は丸聞こえである 当然まりさAへの怒りは溜まり今にも襲い掛かりそうだったのを見て俺が提案したのである まりさAを負けさせるためにゴール直前でまりさAにだけ聞こえるように「ゆっくりしていってね!」と言ってくれと ゆっくりした結果がこれだよ! 「そうか、れいむは苦しませてゆっくり殺したいのか。よし、こうしよう」 俺は未だに浮いているまりさAの帽子に縄をくくりつけて川の岩に固定し、放置した そしてまりさB、れいむの二匹を連れて帰宅した。そのときに後ろから声が聞こえたが気にしなかった あれから一週間して俺はまりさBとれいむで子供を作らせて生まれると同時にかっぱらい、親二匹は畑の肥やしにした その赤ゆっくりを手土産として、俺は稗田のお嬢さんの家にたずねに行くのだ どんな反応をしてくれるのだろうか。少し期待しながら俺は相変わらずのあぜ道を歩くのである (終) 初投稿の喜多です。本名じゃないです SSどうだったでしょうか?虐待の面で弱いかな 次はもうちょっと読みやすい文章にしたい そういえば、実は競泳じゃなくて競艇なんだよね オマケ~まりさAのその後~ まりさA「だれ゛がだす゛け゛でよお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!か゛わ゛はこ゛わい゛よお゛お゛お゛お゛!!!!!!!」 れみりゃ「れみ★りあ☆うー♪たべちゃうどぉ~。うーうーッ!?うぎゃあああ!!!ざくや゛ー!ざぐグボッ!!!」 まりさA「コイツ……体付きの癖に川で溺れやがったぞっ!?ゆっくり襲った結果がこれだよ!」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/258.html
これは投棄場の ゆっくりの歴史 森のゆっくり編 の続きです。 歴史と言いながら俺設定、パロディが満載です。 そして投棄してるからには虐待が皆無です。 それが気に入らない人はお戻りください。 ちなみに今回は大概のSSで死んだゆっくりの帽子をかぶると 「おまえとはゆっくりできないよ!ゆっくりしね!」 とほざき始めるので、その理由の脳内保管を文章化した感じです。 さて、続きだ。「水辺のゆっくり」と銘を打たれていたが、川のゆっくりと言ったほうが正確か。 幻想郷に海はない。紅魔館のほとりにいれば某知恵足らずの妖精やカリスマならぬカリデカな館の主に駆逐されてしまうだろう。 ゆっくりも学習能力はある。 { 水辺に棲むゆっくりのもっとも恐怖したもの、それは辻斬りだった。 事実、辻斬りは毎年現れ、ゆっくりが駆逐されるまで続いた。 初めに辻斬りを始めたのはみょん種だった。 「ゆっくりしていってね!!!」と大声で叫んで近くのゆっくりを足止めし(地上のゆっくりには「ゆっくりしていってね!!!」というと本能的に挨拶を返す習性がある)ゆっくりとは思えない速さで真っ二つに切り裂く。人間のいう辻斬りそのものであった。 彼(もともと人間に家族を殺された父親役のゆっくりであったそうだ)は自分に勲章として死臭のついた髪飾りをはぎ取り、カチューシャにしていたようだ。 川辺のゆっくり達は死臭を感じると出来る限りの避難をした。 しかし無駄だった。本能に従い叫んで殺された。 辻斬りのみょんは天寿を全うした。その年の11月のことだった。} へえ、祖父が言ってた「死臭がするゆっくりは殺される」というのはここから来てるのか。 しかし毎年ってことは模倣犯がいたのか。 {その後は模倣犯が大量に現れた。 共通するのは「群れではゆっくりできなかったゆっくり」というところである。 最初に模倣したのは「おれまりさ」というまりさ種の変種であった。 一人称が「俺」であるがために偽物扱いされて爪弾きを受けていた。 (後述するが、最初に地上に降りたまりさの一人称は「俺」である。普通の地上まりさが偽物) 私怨が強かったらしく、周辺のまりさ、れいむをすべて虐殺した。 その際命と引き換えに放った「ゆっくり奥義 ますたーすぱーく」はおれまりさを怒らせるとこうなるということで現場にいたゆっくりに畏怖の念を感じさせた。 その後、おれまりさは仲良くなる…と思いきやありす種の提案で殲滅された。 不憫である。 後にふらん種、れみりゃ種、ありす種が毎年川辺で辻斬りの模倣をしては殺された。 そしてこれが地上のゆっくりが言っていた「死臭のするゆっくりはゆっくりできなくなるから殺す」という本能に従っての行動に繋がったのだろう。 (ちなみに私の先代は地上のゆっくりの解剖本を出していたのだが、その51Pにこんな記述があった。 「地上のゆっくりに死んだゆっくりの飾りの臭いを嗅がせると、餡幹部(人間でいう脳幹のようなもの)が沸騰する」 沸騰を続けると餡幹が融けて死ぬ=ゆっくりできなくなるということだろうか。 先代の本ではそこは解明されていなかった。) さて、次章は私たち山の上のゆっくりの歴史を紹介する前に、私たちと地上のゆっくり、及び人間との戦いを紹介しようと思う。} なるほど。地上のゆっくりは自己中心的だから殺してしまうのか。 ぱちゅりーさんたちは大丈夫なのだろうか。 それにしても水辺のありすは許せない。 全部川に落ちて死ねばいいのに。 それと・・・ゆっくりとゆっくりの戦い?聞いたこともないが。 そう思ってページを進める俺であった。 あとがき---------- 今回短くてすいません。 水辺のゆっくりはほとんど人間に屠殺された先行があるから 事件一つしか書けなかった。 このシリーズはあと上のゆっくりや人間との戦い、山のゆっくりの歴史、あと何かもう一ネタとエピローグの 1~3回で締めくくられると思います。 あ~家族のPCだからリビングにあるから 頭の中にあるゆっくり大虐殺の文が 書き表せない。 書いたら確実にパソ禁食らう。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4451.html
ゆっくりが食品として流通している今の世の中、人々は様々な調理法でゆっくりを食べていた。 そして今日、とあるパーティー会場で『ゆっくりディナーショー』なるものが開催された。 主催者は『ゆ虐七連星』にして味の探究者である食ゆ鬼意山だ。 食ゆ鬼意山は少しでも飽きずに食べ続けられるように色々な調理法を試していた。 このディナーショーはそれらの発表の場でもあるのだ。 「えー、この度はこのような場所に足をお運びいただきまことにありがとうございます。 まずは余興をお楽しみください…。」 会場に集まった100人以上の客がステージに注目した。 これはあくまでディナーショーである。今はショーの時間なのだ。 主役はもちろんゆっくりたちだ。ショーの時もディナーの時も…。 だが当然ゆっくりたちには真実を教えていない。 加工場や山などから集めに集めた大量のゆっくりたちには、 『皆のゆっくりした姿で人間たちをゆっくりさせて欲しい』とお願いしてある。 最初にステージに上がったのはれいむとまりさのポピュラーな家族だった。 子れいむ3匹、子まりさ4匹の至って平凡な家族だ。 「ゆっ!れいむたちのおうたでゆっくりしていってね!!!」 「ゆ~ゆゆ~ゆ~ゆゆ~♪」 「ゆゆゆ~ゆ~♪ゆっゆゆゆ~ゆ~♪」 沢山のゆっくりの中から適当に代表に選ばれたゆっくりたちは皆やる気満々だ。 誰かをゆっくりさせることで大きな優越感に浸ることができるからだ。 …この家族は気付いていないが、客の大半は殺意のこもった顔でじっと見ていた。 ゆっくりの歌は人間が聞けば99%以上が雑音以外の何物でもない。 だが客は皆歯を食いしばり耐えていた。今は我慢の時なのだ。 ここでゆっくりに対する怒りを溜めておき、後で思いっきり発散するのだ。 中には強く握り拳をつくり、爪が食い込み血が出ている客もいた。 耳障りな雑音が終わると今度はれみりゃ(胴付き)の家族が出てきた。 母れみりゃと子れみりゃ1匹と赤れみりゃ2匹だ。 「う~♪おぜうさまのダンスでゆっくりするどぉ~☆」 「しゅりゅどぉ~♪」 「う~う~♪れ☆み☆りゃ☆うー!!」 「もう我慢できねぇ…。ひゃあっ!虐待だぁ…!!」 「皆様、くれぐれもステージのゆっくりに手を出さぬようお願いします。 辛いのは皆同じです。この苦難を乗り越えてこそ幸せを掴めるのです。」 「ぐ…!そうだ、我慢我慢…。」 食ゆ鬼意山が途中でアナウンスを入れ、客の暴走を抑止した。 「う~♪うあうあ♪にぱ~♪」 「うっう~う~♪(ブーッ!!)」 「あぁ~!おならでちゃうどぉ~♪(ブーッブーッ!!)」 れみりゃのダンスとおならで客の不快指数は急上昇だ。 れみりゃは好きなだけ踊ると満足してステージから去った…。 その後も虐待派やそうでない人もイライラするような企画が目白押しだった。 というかここに来ていた客の9割は虐待派の方々であるが…。 「むきゅ!ぱちゅりーのあかちゃんにみんなみとれてるわ!!」 植物型妊娠したぱちゅりーが延々と親バカぶりを発揮したり…。 「わかるよー。ちぇんのしっぽにめろめろなんだねー。」 調子に乗ったちぇんが尻尾をフリフリして愛想を振り撒いたり…。 「ありすがとかいはなおはなしをしてあげるわ!!」 ありすにイメージだけの都会の妄想話を聞かされたり…。 「まりささまはさいきょうなんだぜ!このまえれみりゃもたおしたぜ!」 井の中の蛙という言葉がぴったりのまりさが武勇伝を語ったり…。 「きゃわいきゅてごめんちゃい!!!」 「れーみゅをみちぇゆっきゅりしちぇね!!」 「まりしゃとしゅりしゅりさしぇちぇやるじぇ!!!」 自分たちは可愛いから愛されて当然と教育された、 加工場出身の虐待用赤ゆの大群がぎゃーすか騒いだり…。 極め付けには、「実録・ゆっくりの最も幸せでゆっくりしたゆん生」というビデオが流れた。 1時間近くずっとゆっくりたちの幸せそうな光景が流れるという、 虐待派なら気分を悪くするような映像だ。 「気持ち悪い…。うげぇ…。」 中には嘔吐しかけた者もいた。客のストレスはすでに限界を突破していた…。 「皆様、お待たせしました。これよりディナーの方へ移ります。 こちらのお部屋に移動してください。」 食ゆ鬼意山の案内で客全員がバイキング会場へ移動した。 客が歩く度に足元から噴き出した負のオーラが床を腐食させていた。 中には口から瘴気を吐き出し、目の前を通った虫を殺す者までいた。 そんな客の負のオーラも5分後には吹き飛んだ。 そこには大量のゆっくりが一流シェフによって調理されていたのだ。 いい匂いが客のストレスをみるみる奪っていった。 「さぁ、皆様!思う存分食べてください!!!」 その食ゆ鬼意山の言葉を合図に客が一斉に食事に入った。 「美味そうだなぁ!!これ食べよっと!!」 「お父さーん。この『赤ゆのしゃぶしゃぶ』食べたい~!!」 「はは、じゃあお父さんがつくってやろうな。」 食ゆ鬼意山は問題が無いか点検することにした。 ここでは彼の目線でバイキング会場を見てみよう…。 1、赤ゆのしゃぶしゃぶ 普通のしゃぶしゃぶをする時の台の横に、足を傷付けられ動けない赤ゆが置かれていた。 種類は実に様々だ。余談だが、この赤ゆたちはさっきショーで騒いでいた加工場出身赤ゆである。 可愛がられて当然と思っていたのに突然足を包丁で薄く切られ放置されたのだ。 全員状況も考えず文句を言いまくっていた。 「いちゃいよぉぉぉ!!どぼじでこんにゃこちょしゅりゅにょぉぉぉぉぉ!!!」 「じにぇぇぇぇぇぇ!!!!ゆっきゅりじにぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」 するとそこにしゃぶしゃぶを食べたがっていた子供の父親が立ち寄った。 子供はわくわくしながら父親を見つめていた。だが赤ゆたちは父親を睨みつけた。 「ゆぅ!!?にんげんしゃんははやきゅれーみゅたちを…!」 「はいはい、よいしょっと。」 「ゆっ!おしょらをちょんでるみちゃい!!!」 父親は一番五月蝿かった赤れいむを横に置いてあった長い箸でつまみ上げた。 そして…しゃぶしゃぶ台に満たされている熱湯に突っ込んだ。 「ゆぴゅっ!!!!!!!!!!!!!???????」 「ほれ、しゃ~ぶしゃ~ぶ♪こうやるんだ。」 「お父さんすごーい!早く食べたいよ!!」 「まあまあ慌てるな。ほら、できたぞ。」 そっとしゃぶしゃぶし終えた赤れいむを子供の皿に乗せた。 「ゆ゛っ゛…。ゆ゛っ゛…。」 「もっと食べたいな!次やってみていい?」 「いいけど気を付けるんだよ。お湯は熱いからね。」 皿に乗った、火傷で一回り膨らんだ赤れいむを見てしまった他の赤ゆたちはパニックに陥った。 箸が次々と赤ゆを捕え、熱湯に突っ込んでいく…。中には失敗して溶けて消える赤ゆもいた。 「あっ!やり過ぎだな。溶けちゃったぞ。」 「本当だ~。やっぱお父さんやってー。」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!やべぢぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「やめちぇねっやめちぇねぇぇぇぇぇぇ…あぢゅあぶぶぶぶぶぶぶ…っ!!!」 赤ゆしゃぶしゃぶは泣き叫ぶ赤ゆが熱湯によってただの食べ物となる工程が楽しめる。 中々の好評っぷりに食ゆ鬼意山は満足しその場を去った。 2、ポップゆっくり これも赤ゆを主な材料とする料理で、どちらかと言えばお菓子に近い感覚の食べ物だ。 担当のシェフがフライパンに軽く油を入れ、その後赤ゆたちを放り込む。 「ゆ!?べちょべちょしゅりゅよ!」 「きみょちわりゅいにぇ…。おじしゃんたしゅけちぇね!!!」 だがシェフはことごとく無視した。食材と会話するほど暇では無いからだ。 シェフはニヤリと笑うとフライパンに透明な蓋をし脱出口を塞いだ。 そしてツマミを捻り火を付けた…。 「おっ!ポップゆっくりだ!見ていこうぜ!!」 「見てるだけで癒されるんだよな~!!」 いつの間にか観客が増えていた。全員がフライパンの中に注目している…。 フライパンはこれ専用の巨大フライパンであり、1度に赤ゆ30匹を調理できる。 1分後、中の赤ゆたちが異変に気付き始めた。 「ゆぁっ!あちゅいっあちゅいよ!!?」 「ゆひぃぃぃ!!あぢゅいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!」 「だじゅげでおがぁじゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」 中の赤ゆたちがピョンピョン跳ね始めた。 その度に蓋に激突し熱されたフライパンに戻り、そしてまた跳ね… そのハジケっぷりは確かにポップコーンに似ていた。 「おじぢゃんだぢゅげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「ちんぢゃうっちんぢゃうぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!」 「いぢゃいぃぃぃぃぃあぢゅいぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 遂には他の赤ゆを踏み台にフライパンの熱さから逃れている赤ゆもいた。 だがシェフは見逃さない。平等に火が通るようにフライパンを揺らして調整する。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!!」 「ぢんぢゃ…う…。」 「だぢゅげ…。」 声が聞こえなくなったら完成の合図。蓋を開けると香ばしい匂いが辺りを包んだ。 「いや~!面白かった!すいません3つくださーい!!」 「あっオレ2つ!!」 1度に取れる数が3つまでと制限があったがかなり好評であった。 やはりできあがるまでの工程が楽しいからだろう。 「ぱくっ。美味い!サクッとしてて酒にぴったりだ!!」 食ゆ鬼意山は1つだけ食べると次の場へ移動した…。 3、ゆっくりところてん 名前の通りゆっくりをところてんみたいにしてしまう。 用意されているのは冷凍庫で程よく凍りついた子ゆっくりだ。 食べたければそこから好きな子ゆっくりを選び、外に出せばいい。 まず数分間ぬるま湯に浸し、意識が覚めたら素早くぬるま湯から出す。 適度に凍っていないと上手くできないからだ。 「ゆびびび…。ざぶいよよぉぉぉぉ…。」 「えっと、こいつをここに入れてっと…。」 「ゆぴぃっ!?せせせっせまいよ!だだだっだしててててってね…ガチガチ…。」 まだ寒そうにしているぐらいが頃合いだ。さっさとところてん製造の筒に入れてしまおう。 後は至って簡単。普通のところてんみたいに押し出しせばいいのだ。 このお兄さんは子まりさを選んだ模様。 「ゆぎぃっ!!?ぐるじ…やべで…ね…!!」 この時少しずつ時間を掛けてやると甘みが増すので時間に余裕があるなら挑戦すべきである。 だが中の子ゆっくりも必死に押し返してくる。その無駄な努力をある程度楽しんでも良い。 網目状の出口は切れ味の悪い刃物のようであり、強く押せばじっくりと子ゆっくりを苦しめられる。 「いつまで遊んでるんだ?他の料理もあるんだぜ。」 「ああ、悪いな…。ついつい…ね。そりゃぁぁぁぁぁぁっ!!!」 「ゆぐぷっやべぎゅいぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 「グイグイグイグイ…。」 「いぢゃいぢゃいいぢゃいぃぃぃぃぃ!!!!ぎれでりゅよぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「せーの…やぁっ!!!!」 「ゆげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ…ぎゃ…っ!!!!」 スポーンと筒からところてんのように細くなった子まりさが出てきた。 少し凍っていたおかげで中身が飛び散らず、叫び声に比例するほどのグロさもなかった。 後はシロップでも海苔でも好きにかけて食べるだけである。 「俺は練乳でいただくぜ!!」 「俺もやろっと!ありす種でやってみるかな…。」 4、成体ゆっくりの刺身 これは皿に盛ってあるのを取るタイプだ。 成体ゆっくりが綺麗に刺身になっておりとても美味しそうだ。 だが不思議とあまり人気はなかった。 「う~ん。やっぱり動かないからかな…。」 刺身になったゆっくりは当然死んでおり動かないから…。 それと成体だからかもしれない。成体は味が微妙なのだ。 食ゆ鬼意山はメモしつつ次の場所へ向かった。 5、子ちぇんの激痛盛り 今回の料理の中でも屈指の人気を得た料理だ。 料理といっても調理法は至ってシンプル、至極単純なものだ。 まずは手頃なサイズの子ちぇんを用意する。野球ボールぐらいの大きさだ。 子ちぇんは大きめのタッパーに閉じ込められていたので出してもらってご機嫌だ。 「わかるよー。たすけてくれたんだねー。」 「…………。」 シュパッ シェフは何も言わずに包丁を持ち、子ちぇんの足、つまり底部を切り取ってしまった。 「いぢゃいよぉぉぉぉぉぉ!!!!わぎゃりゃにゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 そしてすかさず適度な温度で溶けたチョコクリームを底部によく塗って固める。 こうすることで子ちぇんは完全に動けなくなるのだ。後は皿に盛ってできあがりである。 「いぢゃ…ゆぎ…っわぎゃりゃ…な…!!!」 この時点でもだいぶ苦痛で美味しくなっているが、この料理の神髄はここからだ。 客が現れ、加工し終えた子ちぇんを運んで行く。 子ちぇんは助けてくれると勘違いしわずかな希望を抱くが…。 「いただきます。」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 ざり…ざり… この子ちぇんを取ったお兄さんは子ちぇんの後頭部にギザギザしたスプーンを当て、 わざとじっくり傷を付けるように切り始めた。 ギザギザが子ちぇんに更なる激痛を与えるのだ。 「いぢゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!わぎゃりゃにゃぁぁぁぁぁぁっ!!!!」 「元気がいいなぁ!ぱくっ。うん、美味い!!」 食べる度に激痛によって美味しくなっていくのがまたすばらしい点だ。 「そろそろ尻尾から吸ってみよっと。」 「あぎゃひぴぎぃぃぃぃぃっ!!!!?ゆぎぎぎぎぃぃぃぃぃぃっ!!!!」 お兄さんは尻尾を口に咥え、先端を噛んだ後中身をストローのように吸い始めた。 ある程度激痛を与えて子ちぇんが自分好みの甘さになったら一気に吸い上げるのだ。 じゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ… 「わ…わが…ら…。」 「あ~!美味しかった!!また食べよっと!!!」 その様子を食ゆ鬼意山は嬉しそうに見つめていた。 この会場はもうゆっくりの断末魔と悲鳴でいっぱいだ。 だが皆、まるで小鳥のさえずりを聞いているかのような爽やかな顔をしていた。 この後鬼意山はあちこちを点検し評価をメモしていった。 次のディナーショーの参考にするのだ。 今回紹介した以外にも沢山の料理があるが、 数が多過ぎるためここまでにしておこう。 そしていい感じのムードになってきた頃、いよいよメインイベントが始まった。 「皆様!これよりゆっくりたちによるスペシャルショーをお楽しみください!! まずは痙攣鬼異惨が考案してくださった『痙攣大合唱』です!!」 幕が上がると客全員が期待の眼差しを向けた。 ステージには大小種類様々なゆっくりが置かれていたのだ。 そして指揮者としてステージに上がったのは特別ゲストの痙攣鬼異惨だ。 パチパチパチパチッ 「すぅ~…さんっはい!」 ポチッ スイッチを入れた瞬間、死んだように動かなかったゆっくりたちが次々に動き始めた。 「ゆぎ…ゆ…ゆあぁぁぁ…!!!」 「ゆっぐ…あがっげ…!!!」 そして… 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛!!!!」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ!!!!」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛……。」 まさに大合唱だ。リズムが良く本当に歌っているかのような絶妙な痙攣だ。 合唱と呼べるだけのレベルであり、ちゃんと担当パートや役割も分けられていた。 客全員が『ゆっくりのおうた』で大いに盛り上がった。 そして次は今回のメインディッシュの登場だ。 「これが締めくくり!!れみりゃの解体ショーでーす!!! このれみりゃ家族は最初に踊っていたあのれみりゃたちです!!! 今回も存分に死のダンスを踊ってもらいましょう!!!」 一気に会場がヒートアップする。あの不快なダンスはこれの伏線だったのだ。 その後ステージに登場したのは爽やかそうな好青年だ。 「彼は人呼んで『居合い斬り鬼威酸』!!!どんなゆっくりもバラバラにしちゃうのでーす!!」 「やぁ!僕は居合斬り鬼威酸!!今回はれみりゃ家族を切り分けて皆に提供するよ!!!」 彼はとてつもなく長い刀を持ち、でかい皿の上で呑気に遊んでいるれみりゃに近づいた。 「う~?ここはおぜうさまいがいたちいりきんしだどぉ~!!!」 「でてくどぉ!!じゃまだどぉ!!」 「しょーだしょーだ!おじぇうしゃまをうやみゃうどぉ!!!」 「う~♪あみゃあみゃくりぇたらゆりゅすど…。」 シュパーン!!!! わずか0.2秒。刹那の早業によって子れみりゃの片腕が宙を舞った。 「う…?」 シュパシュパシュパシュパッ!!!!! たった2秒で子れみりゃは痛みを感じる前にバラバラになり、皿に盛られてしまった。 周りの客が歓声を上げる中、れみりゃ家族は固まっていた。 そして10秒後、やっと可愛い我が子が分解されたことを知った。 「う…うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「うううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!?」 「ほいさっ!!!」 するとすぐに包丁がれみりゃの間を駆け抜け、全員一口サイズにされてしまった。 赤れみりゃ2匹は即死だったが、驚くべきことに母れみりゃと子れみりゃはまだ生きていた。 「う…あ…。」 「おぜ…うさま…の…かり…す…ま…。」 何か言っているが良く分からなかったし、客はそんなことどうでも良かった。 2匹は顔以外見事に細切れにされていた。拍手の嵐が巻き起こったのも仕方がないことだった。 「さぁ、召し上がれ♪」 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!! 一斉に群がる客たちによって、れみりゃたちは一瞬で腹に収まった。 子れみりゃはその後すぐに死んだが、母れみりゃは頭だけでまだ生きていた。 「う…ああ…。」 「見てください!これじゃあ胴無しれみりゃと見分けがつきませんね!!! こんなれみりゃは…ゆっくりしね!!!」 明かりが消えて部屋が暗くなると、鬼意山の姿がみるみる変化していく…。 これが食ゆ鬼意山の能力だ。暗闇でのみ、食ったゆっくりの力を発動できるのだ。 「ゆっくりしね…。」 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ふらんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 鬼意山はふらんに変身し、れみりゃに攻撃を開始した。 非現実的な光景に客は熱中し夢中になった。 「ばぐばぐむしゃむしゃ…!!」 「あ…う…。」 やはり胴無しみたいには動けず、れみりゃはふらん化した鬼意山にあっさり食べられた。 …元の姿に戻ると、客全員から大きな拍手を受けた。 「皆様!楽しかったディナーショーもこれにて閉幕です!!! 今日は本当にありがとうございました!! 出口でお土産に余ったゆっくりを配りますので良ければどうぞ!!!」 食ゆ鬼意山がペコリとお辞儀をし、滞りなくディナーショーは終わりを迎えた。 「お父さん!楽しかったね~!!」 「ああ、また来ような!」 「あの子ちぇんのやつ美味かったな~。」 「反応が最高だったよな~!」 「あまり食い物で遊ぶなよな…。」 皆満足そうな顔で帰って行った。 「今日はありがとな。痙攣鬼異惨と居合斬り鬼威酸。」 「いやいや、痙攣させる場を提供してもらって嬉しいよ。」 「…………。」 帰り際、居合斬り鬼威酸がそっと食ゆ鬼意山に呟いた…。 「いつか七連星の称号を返してもらうよ…。」 食ゆ鬼意山もそれに対して言い返した…。 「やれるもんならやってみな…。」 実は仲の悪い2人なのであった…。 食ゆ鬼意山のディナーショー…。半年先まで予約でいっぱいの大人気イベントだ。 お土産にもならなかった100匹以上のゆっくりを食べながら、 食ゆ鬼意山は次のディナーショーのプランを考えるのであった…。 ちょっと久しぶりな投稿です。 前のSSで何やら騒ぎが起こってしまい申し訳ありませんでした。 それと、自分は中傷や荒らし発言などはしておりません。 身に覚えのない文句などがまるで自分が書いたみたいになっていて驚きました。 今後はこのような騒ぎを起こさぬようネタを考えて書きますのでご了承ください…。 by七連星の人
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2898.html
注意 ぺにまむ設定が一行だけ存在します。 物理法則を無視している可能性があります。 虐待描写は少ないかと思います。 オリジナル設定がかなりあります。 以上が苦手な方は、ご注意下さい。 『ゆっくりじゃーの』 ここは中規模の加工所『ありす工房』。オレンジの香りが特徴的な、ゆっくりありすを原料に用いた商品、 『ゆっくりじゃーの』という商品の製造、販売を行っている。 長い間製法は門外不出の企業秘密となっていたが、特許関係の整備やブランドの確立に成功したため、 今では更なる知名度向上を目的として、ゆっくり加工食品の流通業者や販売店の職員を主な対象に見学会が開かれている。 今日はこの見学会に参加するため、ここにやって来た。 「皆様、ようこそお越し下さいました。本日皆様をご案内させて頂きます、当工場の工場長、○○○○と申します。 どうぞよろしくお願い致します。 さて、本日は当工房の主力商品、『ゆっくりじゃーの』の製造過程の見学ということで、 一通り作業工程をご説明しながら回りたいと思います。では早速、その製造過程をご案内させて頂きます。」 「最初は原料となる赤ありすの育成をご覧下さい。産まれる直前の赤ありすを収穫し、 人工的に生まれさせることから始まります。使用するのは植物型妊娠で産まれたありす種のみです。 赤ありすの状態から、商品加工に適するサイズになるまで、元一流のブリーダーである当工房の飼育員による徹底した管理の下、 ゆっくりにとっての理想の環境で極限までゆっくりさせます。」 「「「ゆーゆーゆーゆゆゆーゆー♪」」」 「すーりすーり、しあわせー♪」 「おねぇちゃんくすぐったいよぉ」 「きょうもとかいはなしょくじね!!!むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」 同じくらいのサイズのありすが数匹、思い思いに過ごしている。 味も栄養も量も文句なしの食事、 完璧に管理された気温と湿度、 近くに安全な水場を設けて遊びに困らないようにしたりと至れり尽くせりの環境を用意してあるとのことだ。 しかも少し向こうでは… 「やべでぇぇぇぇずっぎりじだぐなぃぃいいぃぃぃいいいぃ!!!」 「やめてね!!やめてね!!ゆっくりやめてねえぇぇぇぇ!!」 「んほおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!すっきりーーーーー!!」 ありすがまりさ相手に無理矢理すっきりしていた。 もう十分満足したのか、蔦を生やしてぐったりしているまりさから離れ、群れの方へと戻っていく。 飼育員と思われる人が、すっきり用に使われたまりさをゴミ袋に詰めている。 「只今のように、食事や普段の生活環境のみならず、ありす種特有の強い性欲を発散させるために、 すっきり用に繁殖させたまりさ種やれいむ種を宛ってやる、といったこともしています。 ここで行われる育成で最も重要なのは、一切のストレス、苦労、苦痛を教えないことです。 産まれたばかりの頃は、近くに親らしき存在がいないことで不安になりますが、 この究極のゆっくりぷれいすと、優しい飼育員達に囲まれ、すぐに機嫌を良くするので全く問題ありません。」 なるほど、最高の環境と言うだけはある。 常にニコニコとした実に楽しそうな表情を浮かべているありすを見ても良く分かる。 お陰で自分を含めた参加者の半数近くが、随分とイライラした表情をしている。 「このような環境の下ですと、大抵のゆっくりはゲス化してしまうものですが、そうならないように飼育員が教育します。 全員一流と呼ばれたブリーダーだけあって、その手腕は確かで、どの個体も皆聞き分けの良い子に育てられます。 それに忘れられ勝ちですが、元がそれなりに知能の高い種族ですので上手く教えればきちんと覚えることが出来ます。 最高の環境で育ち、一流の教育を受けた自分達を誇りに思い、自他共に認める素晴らしくゆっくりとした個体が出来上がるのです。 半年ほどで大きさだけは十分に育ちますが、中身を熟成させるため、あともう1年ほどここで生活させます。」 「さて皆様、あちらをご覧下さい。」 「おでぇじゃあああぁぁぁん!!だずげでえよおおおおおおぉおぉぉぉ!!!」 「ゆっぎゅりできないひどだぢがいぢべるわぁぁぁぁあぁぁ!!」 「どぼぢでむじずるのよおおぉぉぉ!いぎゃあああああぁぁぁぁ!!」 「18ヶ月の飼育を経て、ようやく加工できるようになった成体ありす達を、工場のある棟に移動させているのです。 泣きながら今までずっと傍にいた飼育員に助けを求めていますが、当然それを助けることはありません。 彼、彼女らの仕事は製品に適したありすを育てることであり、またそれが誇りでもあるのです。 さぁ、これでありすの飼育が終わり、工場のある棟に連れて行かれました。 ここから本格的な加工が始まります。私たちも工場棟に参りましょう。」 次に連れてこられた工場棟は、大規模な加工所でも見ることのない、変わった機械や道具で一杯だった。 参加者は皆興味深げに当たりを見回している。 先ほどの飼育舎を見せられてストレスマッハになっていた参加者は特に嬉しそうにしている。 「運び込まれたありすは、全員この機械に固定され、定期的にゴム素材で出来た広い板で全身をくまなく叩かれことになります。 ある程度叩いたら、死なないようにオレンジジュースをかけて回復させます。 叩いては回復、叩いては回復を、これから48時間休まず続けるのです。」 「ゆべっ!ゆぐっ!ゆぎゃっ!どぼぢでごんなごどぉぉぉ!!」 「いじゃいいいいぃぃぃぃぃ!!だずげでえええぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ごんなのぜんぜんとかいはじゃないわぁあぁ!!おうちがえじでよおぉ!!」 「皆様のご来訪に合わせまして、予め48時間あの機械にかけたありすを用意しておきました。 どうです、叩かれて即回復を繰り返していたため、表皮は硬く、分厚くなっているでしょう。」 48時間の責め苦を受け続けたありすは、あちこち腫れ上がって元の大きさの1.5倍くらいの大きさになっており、 弾力は失われてタイヤのゴムみたいな感触をしている。 「変化はそれだけではありません。中身にも、見た目以上の劇的な変化が起こっているのです。 先ほどご覧頂きましたように、これらの個体はほんの2日前まで一切の苦痛を知らず、 産まれてから18ヶ月の間ずっとゆっくりし続けたものです。 こういった惜しみない愛情を注がれて育ち、心からゆっくりし続けた個体が突如苦痛に見舞われた際、 中身の味に深みが出るという性質があります。 ほんの少し前まで自信に溢れ、ゆっくり以外したことのなかったこのありすたちも例外ではありません。 2日前と現在では、味に明確な違いが出ているのです。 先の、見る人が見たらストレスがマッハになりそうな部屋は、そのためのものです。」 「さて、次の工程の説明をさせて頂きます。 48時間の処理を経て皮が変質したありすの中から、形の良いありすを選ぶ作業に入ります。 大きくて皮が丈夫な個体ほど商品に適した個体ということになります。 選ばれなかったありすはその場で丁寧に皮を剥かれ、中身のカスタードを取り出されます。」 サクサク…サクサク…。ベリッ…ベリッ…。 いよかんの皮でも剥くかのように、頭のてっぺんから足に向かってまっすぐ縦に、等間隔に6本切り目を入れている。 それが終わったら、6等分された頭皮を一枚一枚丁寧に剥ぎ、見る見る中身のカスタードを露出させていく。 「あぎゃあああああぁぁぁぁ!あでぃずのどがいはなおはだぎゃああぁぁぁぁ!!!」 「おでぇぢゃあぁぁぁん!!やべでぇぇ!おでぇぢゃんにひどいごどじないでぇぇ!!」 「ゆぐぐうぅぅ…おうぢがえりだい…もっどゆっぎゅりじだが…た…」 「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 取り出したカスタードを大きめのボールに入れ、変な白い粉を混ぜ始めた。 互いに混ざり合ってやや堅めになったものを今度は二人で団子状に丸めていく。 しかも手作業だというのに異様に早い。なんとも職人を感じる光景だ。 「その取り出したカスタードに、製造過程の要となる白い粉を混ぜて、選ばれたありすに全部食べさせます。 普通のゆっくりなら絶対に食べきれない量ですが、先の工程で皮が格段に強化されているため、 無理矢理全部詰め込んでも弾けることはありません。 しかも硬くなった表皮のせいで満足に動けず、暴れることも不可能であるため、非常に都合がよいのです。」 「やべでぇ…ありすのおねえちゃんだよ…たべたくないよぉ…」 「ゆぐっ!!うーー!!うーーー!!!」 一人がありすの口を無理矢理開き、もう一人が次々にさっき作った団子を喉の奥に詰め込んでいる。 ある程度詰まったら押さえている側が背中(あるいは後頭部)を蹴り、飲み込ませていく。 全体の7割ほど食べさせた時点で、一度飲み込ませるのを止めた。 「この時点で全部食べさせる必要はありません。とりあえず限界まで食べさせたら、残りを口の中に全部詰めます。」 そこまで説明すると、工場長が合図を送り、二人が作業を再開した。 どうやら特別に説明に合わせて作業をしてくれているようだ。 説明の通り、残り全部の団子を口に詰め、すかさずゆっくり用の万力に固定した。 自分の上下から加えられる強い力に、自力で口を開くことが出来ないようだ。 一人がそんな状態のありすの唇を開き、もう一人が小型のアイロンのようなもので前歯の表面を撫でている。 暫くすると、砂糖で出来た歯が溶け、見事にくっついてしまった。 更に今度は一人が右頬を引っ張り、もう一人が上下の奥歯をくっつけていく。 全部の歯がくっつき、完全に歯の隙間が埋まったようだ。 万力から外して口を開けても、白い半透明の平面が見えるだけ。 必死に口を開けようとしているのが、口の動きから見て取れる。 「歯が完全にくっついて口が開けられなくなったら、今度は口全体の処理をします。 最初に唇を切り取り、切り取った唇をミキサーにかけてペースト状にし、それを再度ありすに戻して小麦粉で塞ぐのです。」 再び万力で固定されたありすの唇を、慣れた手つきで切り取っていく。 切り取った唇を工場長の説明の通りミキサーにかけ、出来たペースト状の物体をありすの口に戻していく。 最後に、予め用意して置いた水で練った小麦粉をかぶせ、よく馴染ませてこの作業は終了のようだ。 因みに当のありすは、口いっぱいに詰め込まれた団子とくっついた歯で叫び声は上げられないが、 両端が裂けるんじゃないかというほど目を見開き、だらだらと流れる涙で足下に水たまりを作っていた。 「次は底部、通称「足」の処理をご紹介致します。まずはこの装置をご覧下さい。 表面がツルツルに磨かれた直径5mほどの丸い陶器の板がぐるぐると回転している。 板の上にはアームが1本、昔のレコードプレイヤーのように中央に向かって伸びている。 「各装置の排気熱を利用してお湯を沸かし、そのお湯を大きな陶器製の板の下に流して熱しているのです。 言うなれば巨大な湯煎鍋と言ったところでしょうか。 表面の温度は、お湯を注いだばかりの湯飲みの熱さ、と言えば分かりやすいかと思います。 さて、熱くなった陶器の板の上にありすを置き、底部だけを焦げ目がつかないように低温でじっくり焼きます。 個体の大きさなどで多少の差がありますが、足の機能が完全に失われるまで大体6時間ほどかかります。」 確かにお湯を注いだばかりの湯飲みは熱い。うっかり触って火傷したことのある人も多いだろう。 バキッ!!ドスッ!!ボゴォッ!! 「〜〜〜〜!?〜〜〜!!!」 いきなり、職員の人がさっきの工程で口を完全に消されたありすを殴り始めた。 いきなりのことに、ありすは勿論、参加者も全員驚いているが、慣れているのか、工場長は穏やかに説明を始める。 「いきなりのことで驚かれたと思いますが、心配は要りません。 最初に殴って気絶させておいた方が後の作業を効率よく進められるのです。 低温で、とは言いましたが、やはりそれは生き物にとってはダメージになります。 熱さに耐えかねて途中で転んだり転がったりされては十分に足が焼けなくなるのです。 そうしたことが起こらないよう、まずはありすを特製のカゴに入れます。」 そういって目の前に出てきたのは、妙な形をしたカゴのような物体。 身近なもので表現するならば、フェンスで作られたシルクハットと言ったところだろうか。 ありすを熱い陶板の上に置き、素早くそのシルクハット型のカゴをかぶせた。 なるほど、ありすの体がすっぽり収まり、横になることは出来なさそうだ。 しかもシルクハットのつばの部分があるお陰で、カゴごと転ぶといったことも不可能になっている。 体無しゆっくりの生命線、足にくわえられる熱に、殴られて気絶していたありすが意識を取り戻したようだ。 急な熱さに暴れようとするが、硬くなった皮と特製カゴに固定され、体を動かすことが出来ない。 「カゴに入れられたありすは板の回転に合わせて動きますが、それを一本のアームが受け止めます。 こうすることで、常に熱い板に底部をこすられる形になり、足が機能を完全に失う頃には、 底部がほぼ完全な平面に焼き固められるのです。足下に涙が溜まってしまい上手く焼けなくなることもありません。 これで足の処理は終了です。」 「こちらは予め用意しておきました、足の処理が終わったありすです。 カチューシャを外し、髪を剃り、その後、粗い下ろし金で、目を傷つけないように注意しながら足以外の全身を激しくこすります。 この際、髪が二度と生えてこないように、毛根も全て削り落としてしまいます。 外したカチューシャは使い道がありませんので、捨ててしまいます。」 足の機能を完全に破壊された上、さっきの説明の通り、底部が見事に真っ平らになっているため、 身じろぎ一つとれないありすが目の前に用意される。 口の加工、6時間もの焼きに涙が完全に枯れたのか、絶望に塗りつぶされた目からは一滴の涙も流れていない。 そんな状態でも、カチューシャが外されると限界まで目を見開き、砕かれるのを見て目が潤み、 ゴミ箱に捨てられるのを見届けた直後に滝のような涙を流した。 よくよく耳を澄ませてみると、下界から完全に遮断された口の中から、くぐもった叫び声が聞こえてくる。 ショリショリショリショリショリ…。 泣いている間にもどんどん髪の毛が無くなっていく。 口があれば、「ありすのとかいはなかみがああぁぁぁ!!やべでぇぇぇゆっぐりできなぐなるうぅぅうぅぅ!!」とか叫ぶのだろう。 もう目の色でしかありす種としか判別の付かなくなったハゲ饅頭を、今度は目の粗い下ろし金でどんどん削っていく。 涙の勢いはさっきとは比べものにならないくらい強くなっており、全身を襲う激痛に体をよじらせて悶えている。 くぐもった声も、さっきより大きい気がする。 「全身ボロボロの擦り傷だらけになったら、今度はナイフで格子状に切り目を入れていく作業に入ります。 切り目の深さは8〜10mm程度。やはり目を傷つけないように注意します。 硬くなった皮に誤差2mmの範囲で均等に傷を付けるには、熟練の技が必要となります。 目を傷つけないように、と言っている理由は、後ほど実例付きで説明させて頂きますので、今はどうかご容赦下さい。」 一人の男が、厳しく鋭い目つきのまま、一心不乱にありすの表面に切り込みを入れていく。 目を潰さないようにしなければならないため、顔の全面を切る時は特に険しい表情になる。 目の先30?で険しい表情をした男が脇目も振らず自分の顔を切り付ける。これは絶対に怖い。 「ナイフを入れる作業が終わったら、先ほどカスタードに混ぜたのと同じ白い粉と食塩を混ぜたものを用意し、 それを万遍なくありすの全身にまぶします。 またその際、涙で流れてしまわないように、目に水泳で使うゴーグルのような器具を装着させます。」 あの状態の体に塩を塗り込まれる苦しみは想像を絶するものなのだろう。 満足に動けず、口もきけず、涙さえ止められたありすの、目に見える反応は殆どないが、確実にくぐもった声は大きくなっている。 「傷が塞がりましたら、今度はオレンジジュースで茹でる工程に入ります。 ここで一度傷の再生と表皮の質感を回復させるためです。 始めはぬるいオレンジジュース、暫くしたら温かいオレンジジュース、その次は熱め、 その次は本当に熱いオレンジジュースに入れていき、少しずつ温度を上げながら、最終的に沸騰したオレンジジュースで茹でていきます。 この工程で表皮の傷や質感は回復しますが、足の機能や毛根は完全に破壊されているため、再生されることはありません。」 最初の温いオレンジジュースに入れられるありす。 何をされるのかと怯えに怯えていた様子だったのが、急に心地よい風呂に浸けられたことで、混乱しているようだ。 引き揚げられ、温かいジュースに移される。全身にオレンジジュースを浴びたことで体力が回復し、 更にさっきより快適な温度になったことで、幾分安心しているようだ。 目に見えて傷が治っていき、更に皮から水分を吸収しているのだろうか、質感も幾分良くなっている。 次は熱めのオレンジジュース。茹でる作業をしている職員に不快感を目で訴えているが、 慣れてしまえばこれもなかなか気持ちよいらしく、すっかりくつろいだ表情をしている。 もっとも、こうした気分はここで終わる。 次は本気で熱いジュース。鍋の表面が大きく波打っているのは、何とかして出ようともがいているからだろう。 こうして、どんどん温度を上げられていき、最後の沸騰オレンジジュースに入れられた。 ぐつぐつと煮立った鍋を見て、入る前から逃げようと必死にもがいていた。 ゴーグルを装着したままなので、目が煮えてしまうことはない。 「オレンジジュースでの煮込みが終了したら、次は整形作業に入ります。 先ほどまでボロボロだったありすですが、オレンジジュースから引き揚げた直後は、 皮の厚さはそのままに、もちもちした触感の柔らかい饅頭のようになります。 表皮に含まれる水分が蒸発して再び硬くならないうちに、平べったい太鼓の形をした枠に押し込み、 丸3日風通しの良い部屋の棚に並べて形を整えます。」 鍋から引き揚げられ、ゴーグルを外されたありすは、先ほどのボロボロの姿とはうって変わり、 蒸したのように湯気を盛んに上げている、なんとも美味しそうな饅頭になっていた。 焼き固められた足もすっかり柔らかくなり、ズタズタのボロボロだった体も引っ張ればどこまでも伸びそうだ。 その触れば火傷しそうなほど熱く、すっかり柔らかくなったありすを、厚めの布の上に置き 、一回だけ布で巻いてから、ありすの側面に、見るからに頑丈な金属製の型をはめた。 平べったい太鼓のような形をしている。 型枠をはめたら、頭の上にも平らな板と重しを乗せて、整形の下準備は完成、とのことだ。 「例によって3日経ってから型から外されたありすを用意してあります。 風通しの良い場所でゆっくりと乾燥させたため、分厚い皮から水分が程良く抜け、 太鼓のような形を保っているのが分かるかと思います。 足も完全に機能を失っておりますので、自力で動くことは勿論、この形になっては転がることも出来ません。 完全無抵抗なありすの完成です。 今度はありすを飽和食塩水に浸す工程に入ります。 食塩水に浸してすぐに乾かし、また浸してすぐに引き揚げ乾かすという作業を繰り返します。 十分に塩分が表面に染みこんだら、今度は全身に焼き印を入れます。」 向こうではすっかり形の変わったありすを食塩水に浸したり引き揚げたりしている。 涙を流すための水分に困ることはなさそうだ。 こういった作業が終わり、十分に塩分を蓄えたありすは、目が下に来るように固定され、全身に焼き印を入れられていく。 焼き印の文字は今から約1年半後の日付になっている。 焼きごての温度、押しつける強さ、時間が正確に定められており、これにも熟練した技術が必要だと言う。 目を下に向けて固定しているのは、涙で濡れて上手く焼き印が入らなくなることを防ぐための処置だそうだ。 「焼き入れが終わったら、今度は型くずれ、乾燥防止のためにワックスを全身に塗っていきます。 気泡が入らないように注意しながら、塗っては乾かし塗っては乾かしを繰り返します。 ワックスの厚さが2mmくらいになったら塗るの止め、最後に乾燥させて、これで下準備が全て完了したことになります。 最後に、熟成室で最低2年寝かせて完成です。」 「ところでこのありす達、どこから仕入れたのだろうと気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 手間暇を惜しまず、じっくりと時間をかけてひたすらに商品の質を向上させていくことに全力を傾ける我々は、 当然原料となるありすも自家製です。 一度この場を離れて、当工房自慢の素材製造過程をご覧頂きたいと思います。」 「ここが、当工房の繁殖室です。この工房で使用されるありすは、全てこの飼育室で繁殖させております。」 「んほおおおおおおぉぉぉぉ!!!すっきりいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁぁぁ!!やべでぇぇぇぇぇ!!もうごどぼうみ゙だぐない゙いいいいいいぃぃぃぃぃ!!」 「まりさのまむまむさいこうよおおぉぉぉ!!!すっきりーーー!!!」 「ぼうやだあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!ずっぎり゙いいいぃぃぃ!!」 「ありすはまりさじゃないわよおおぉぉぉぉ!!ちがうっだらぁああぁぁぁぁぁ!!!」 「だれかとってぇぇ!!あがぢゃんがじんぢゃううぅぅぅぅ!!」 「いやあああぁぁぁっ!!はずしてね!!はずしてねえええぇぇ!!」 れいぱーの本領を存分に発揮している成体ありすと、 まりさ種の最大の特徴である黒い帽子を被せられて無理矢理ありすにすっきりさせられている成体ありす。 少し離れたところには異様に太い蔦を生やし、その先に十ばかりの灰色の球体と数個の子供を実らせた植物型妊娠中のありすがいる。 「ここにいるのは全部ありす種で、種付けする側と子供を産む側に分けられています。 この部屋自体が、他の部屋と比べても相当特殊な構造になっていますので、まずは部屋の説明から始めさせて頂きます。 妊娠や出産はゆっくりの体力を大きく奪うものであり、若いゆっくりは論外、 成熟したゆっくりであっても度が過ぎると死に至る、というのは周知の事実。 その中でも特に性欲の旺盛なありす種の場合は、そういった事故が起こりやすいのは、想像に難くないかと思われます。 この工房では、それを防止するため、部屋全体、床上5cm程の高さまでオレンジジュースが張ってあります。 このお陰で、産む側のありすは衰弱死することがなく、常に栄養状態の良い子供を産むことが出来るのです。」 「次に繁殖用のありすの説明に移ります。この部屋のありすは種付け用と出産用がいて、 普段は勝手にすっきりをしないように、鉄格子で隔てられています。 また、種付け用ありすどうしですっきりされても困りますので、種付け用ありすが互いに触れあえないように仕切りを作っています。 赤ありすが必要になりますと、職員がこの部屋に入り、種付け用のありすを揺すり、発情させてから鉄格子を開けてやります。 するとすぐに出産用ありす相手にれいぱーの本性全開にすっきりを始めるのです。 子供を産む側となった出産用ありすは足を焼かれている上に、 直接体に何本も釘を打たれて床に固定されていますので、すっきりを拒むことが出来ません。 また、産まれた子供を飼育棟の環境で長くゆっくりさせる必要があるため、 体も精神もある程度育った状態で産まれてくる動物型妊娠では都合が悪いので、 動物型妊娠用の器官は前もって破壊し、どんな方法であっても必ず植物型妊娠になるようにしてあります。 ありす種どうしではあまり繁殖効率が良くないので、出産用ありすはカチューシャを外して、 代わりにまりさ種の帽子を被せています。 こうすると、何故か種付け用ありすは出産用ありすをまりさであると認識するので、手早く種付けを完了させることが出来ます。 一度目のすっきりが終了し、出産用の頭から蔦が伸びてくるのを確認すると、 二度目を始めないうちに職員が素早く種付け用を引き離し、元いた場所に戻して鉄格子を閉めます。」 「どぼぢでぇぇぇぇ!まだまだずっぎりずるどおぉぉぉ!!」 「ばりざあああぁぁぁぁぁぁ!!もっととかいはなことじばじょうよおおぉぉ!!」 たった一回のすっきりでは物足りないのか、自分たちを隔てる鉄格子をどうにかしようと激しく体当たりを繰り返している。 足下のオレンジジュースが回復させるので、ただただ痛い思いをし続けるだけなのだということには、未だ気付く様子はない。 一方、無理矢理なすっきりをさせられた出産用ありすの頭からは、蔦が生えている。 通常ならば赤ありすが実るまでまだまだ時間が必要だが、出産用ありすを絶えず襲う危機感や絶望感が繁殖本能を刺激するのだろう、 足下のオレンジジュースの強烈な後押しも受けて、もの凄い早さで赤ありすが実り始めている。 速度だけでなく、その数も異様である。通常一つの蔦に5匹程度、多くても10匹程度実るところ、 それのおよそ2倍の数の15匹から20匹程度が一斉に実り始めている。 それらの重さを支える蔦も通常では考えられないほど強靱で、その太さは倍以上ある。 「実る子供の数やその成長速度が通常とは比較にならないのは、只今ご覧になられた通りです。 成長速度がある程度落ちてきたところを見計らい、種付け用を隔離して待機していた職員が赤ありすを選別していきます。 実った赤ありすの中から、肌の張りや質感はどうか、髪の艶や色はどうかを調べ、 将来どれくらいの質のゆっくりになるかを見極めるのです。 この作業は、この道30年のベテランである彼が担当しています。」 「皆様、本日はようこそ。ゆっくりありす繁殖担当、□□□□と申します。今から、実際に一連の工程をご覧に入れましょう。」 作業を始めた途端、さっきまでの柔和な表情が一変し、険しい表情になり、 真剣な目つきで一つ一つ赤ありすを吟味していく。彼もまた、この工場が誇る熟練した職人の一人のようだ。 「やべでえぇぇぇぇ!!ありすのとかいはなごどぼいじらないでぇぇえぇ!!」 「今回は、これとこれとこれ、あと根本のこの一匹を選びます。これ以外の赤ありすは全て間引いてしまいます。」 「いやああぁぁぁぁぁ!!やめてね!!やめてね!!」 「間引く、と一言に言っても、そのやり方は特殊なものになります。 普通のゆっくりなら蔦から赤ゆっくりをもぎ取ってしまえばいいのですが、この環境だとそうはいきません。 もぎ取ってしまってもまた新しい赤ゆっくりが実ってしまい、無駄なんです。 必要な赤ありすのみを残して蔦ごと他全部をパテなどで覆うという方法も過去に試したのですが、 そうすると蔦が十分に成長せず、結局栄養が足りなくなってしまうため、この方法も採れません。 ではどうするのか、と言いますと、コレを使って間引くんです。」 そう言っておもむろに腰のバッグから灰色のガチャポンの入れ物のような容器を取り出し、 見込み無しと判断された赤ありすに次々にかぶせていく。 簡単に開かないようにテープで固定し、あっという間に、一つの蔦に最も見込みのある4匹を残して、 その他全ての赤ありすを蔦についたまま閉じこめてしまった。実に鮮やかな手並みである。 「こうすることにより、見込みのない赤ありすには栄養を与えず、 見込みのある赤ありすにのみ栄養を集中させることができ、高品質な素材の安定供給が可能となるんです。」 「いぎゃあああああああああああああああああ!!!やだ!!やだあああぁぁぁ!!」 「あがぢゃんがじんじゃううぅぅぅうう!!ゆっぐりざぜであげてよおぉぉぉ!!!」 「しかも、種付け用ありすは満足にすっきり出来ないストレスと 鉄格子に体当たりすることによる身体的ダメージを蓄積させていきます。 一方の出産用ありすも、無理矢理すっきりさせられること、望まぬ子供を産ませられること、 自分と繋がっていながら決して目の開けることのない閉じこめられた子供を見ること、 いつか人間に奪い取られることに怯え、須く現実となることによる肉体的、精神的ストレスを蓄積させていきます。 しかし、足下に張られたオレンジジュースがそのダメージや精神的なストレスから来る障害を回復させ、死ぬことは出来ません。 その結果、ひたすらストレスを溜め続け、自身の中身をどんどん上質なものにしていくんです。 その上質なカスタードは、子供に受け継がれ、繰り返せば繰り返すほど、より素材としての価値を高めていく、というわけです。」 「只今彼が説明しましたように、代を重ねるごとにより上等なものへと品質を上げていく工夫が凝らされているのです。 因みに、この親から生まれたばかりの赤ありすは絶品の一言。どうぞ、ご賞味下さい。」 ブチッ、ブチッ。 「ありすのあがぢゃんがあああぁぁっぁあぁぁぁ!!!」 「どぼぢでごんなごどするどおぉぉぉぉぉ!!!」 …美味い。生まれたての赤ゆっくりを食べたのは初めてではない。むしろ人よりずっと食べている方だ。 この味はその全ての遥か上を行く。 皮を破くと同時にあふれ出るカスタード、とろりとした食感と共に、上品な甘みが舌を包み込み、更に口いっぱいに広がっていく。 これだけでも相当にいい値が付きそうだ。 「こうして選ばれた赤ありすだけが、一番初めにお見せした飼育棟へ運ばれ、味に深みを加えるために育てられるのです。 では、熟成室の方へ向かうとしましょう。」 ゆっくりいじめ系1697 ゆっくりじゃーの 2?に続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1091.html
ゴホゴホ 軽く咳き込む ここのところ不規則な生活が祟ったのか、あまり体調が思わしくない 自宅のマンションに帰宅する道中、ふと身体のダルさが気になった 明日は休日である、ゆっくり休むとしよう 自室に到着するとゆっくり達がそれに気づく 「おかえりなさい!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりごはんつくってね!」 玄関でピョンピョンと飛び跳ねて挨拶するゆっくり達 飼育しているゆっくりはゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙の二匹 いつもの仕事帰りの光景である 荷物を置き、スーツをかけて、シャワーを軽く浴びる 頭が重い… シャワーを浴び終わると、たまらずそのままベットに倒れこんだ 「ゆっ、ごはんは!?」 「おなかすいたよ!」 ゆっくりの声が遠くなっていくのを感じる やがて意識はまどろみの中に消えていった 翌朝、目が覚めると凄まじい寒気が身体を襲った 喉が痛い、熱もあるようだ… 間違いなく風邪の症状である いかん、いかんぞ、明日から出張だというのに なんとしてでも治さねばならない っと、鼻がでてきた、ティッシュ、ティッシュ ゴホゴホと咳き込んでいるとゆっくり達が近寄ってくる 「ゆっ、おはよう!ゆっくりしていってね!」 「おはよう!ゆっくりごはんのしたくしてね!」 そういえば昨晩から食事をとっていない、食欲は無いが食事はとっておいたほうがいいだろう しかし家に風邪に効くような栄養のある食べ物なんてあったろうか… 布団から起き上がると軽く眩暈が襲う、一応歩けないこともないようだ ふらふらしながら冷蔵庫の扉を開ける 野朗の一人暮らしの冷蔵庫などたかが知れている 中に入ってるのは水と…漬物とビールだけであった ビールっていう選択肢はないだろう、とりあえず朝食はおかゆを摂ることにする 台所からもどり、ベットの上でおかゆをすする やはり食欲が出ない、半分も食べないうちにお椀をお盆に戻し再び布団に包まる 「ゆっ!ごはんだよ!」 「ゆっくりいただきます!」 ゆっくり達は食べ残しにありつけてご満悦のご様子だ うっめ!うっめ!とご飯を頬張るゆっくり達を横目に俺は再び眠りに落ちていった 次の日の朝、目覚ましの音で布団から跳ね起きる 体調もいくらか回復したようだ、軽く咳は出るものの仕事に差し支えない程度のものである 休日を潰したのは些か不満だが、一日で回復したのだからまあいいとしよう 「ゆっくりいってらっしゃい!」 「ゆっくりしにいってね!」 ゆっくり達のいつもの声を背に、出張先へと赴くのであった 「おーしくーらまんじゅ♪」 「おーされーてなくな♪」 見送りが済んだ後、二人は仲良く遊び始める それはいつもの仲睦まじい光景であった 「ゆっゆっ♪…ハァハァ」 やがてゆっくり霊夢の息が上がっていく 「ゆっくりやすむよ!」 「ゆっくりしていってね!」 いつもよりも少し早く遊びを切り上げると、ゆっくり霊夢は突然咳きをしはじめる 「コホッコホッ!」 「ゆっ?」 ゆっくり魔理沙はその姿に興味深々だ 新しい遊びと思いこみ、ゆっくり魔理沙も真似ながらコホコホと続いた 「ケホッ!ゆっ…ゆっ…ケホ!」 ぐったりと咳を続けるゆっくり霊夢 その様子にゆっくり魔理沙は笑顔でゆっくり霊夢のまわりをピョンピョン飛び跳ねながら「コホコホ!」と騒ぎ立て続けた やがて日が落ちると、ゆっくり霊夢は自分の身体の異変に気がついた 「ゆっ!からだがあついよ!」 動いてもいないのに息が上がるのだ 心なしか食欲も出ない、今まで感じたことのない不快さである 一方、ゆっくり魔理沙は机の上にあった茶菓子を黙々と食べている 「うっめ!めっちゃうっめ!」 「れいむはたべないの?」 ゆっくり魔理沙が見ると、ゆっくり霊夢は部屋の隅でゼェゼェと息をあげて斜めになっている 「ご、ごはんいらないね!」 「それなら、ぜんぶまりさがたべてあげるね!」 そういってゆっくり魔理沙はその日の夕飯をゆっくり霊夢の分まで全て平らげてしまった 「ごちそうさま!あしたもゆっくりしようね!」 満腹になったゆっくり魔理沙は満足そうに眠りについた 次の日、ゆっくり霊夢の体調は最悪の状況をむかえていた 顔は真っ赤に変色し、えずくような咳を繰り返す 斜めに傾きながら、白めを剥いて全身を震わせている 「ゆっ!れ、れいむ!?」 さすがの魔理沙もあまりの惨状に動揺を禁じえない ピョンピョン飛び跳ねながら必死に声をかける しかし、ゆっくり霊夢からの返事が返ってこない 「ゅ…ゴホゴホッ!ひゅぅ、ひゅぅ、ゴホッ!ゴホッ!」 強烈な咳を繰り返し、呼吸がうまくできないのか喉の奥からひゅうひゅうと音を立たせる こんなゆっくり霊夢の姿を見るのははじめてである ただならぬ雰囲気にうろたえるゆっくり魔理沙 すると、突然ゆっくり霊夢の身体がポンプのように上下しはじまる 「…ッ!…ッ!」 と、次の瞬間 「んんえ゙れ゙ッ」 ゆっくり霊夢は嘔吐した 咳と嘔吐を繰り返すゆっくり霊夢 涙と涎で顔も完全に歪んでしまっている 「れ、れいむ!れいむ!」 ゆっくり魔理沙は心配そうに声をかけるが、状況が読み込めずただ見ているしかできない ブルブルと全身が震え、滝のように流れる汗 危機迫る表情に気圧され、ゆっくり魔理沙はそこから後ずさった その晩、暗闇の中で咳と嘔吐の音のなか必死に助けを求めるゆっくり霊夢の声が混じって聞こえてきた しかし、ゆっくり魔理沙は恐怖からただ聞こえぬそぶりで、寝た振りを続けたのだった ~ゆっくりと風邪~END
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3103.html
ゆっくり蒸し 俺はゆっくりの家族を探していた。 目的は、虐待である。 ゆっくりを入れる巨大な籠、ゆっくりを騙すテクニック 準備はばっちりである。 俺がゆっくりを探しながら歩いていると、 正面から、ゆっくりの家族がこっちに向かってくるではないか!! 「お、いた!!」 男は、見つけたゆっくり一家にばれないように ボソっと、小声で呟いた。 ゆっくり一家の構成は、 親れいむ・親まりさ、 子供れいむ5匹、子供まりさ5匹、 赤ちゃんれいむ・まりさ、2匹、 合計、14匹である。 俺はゆっくり一家を捕まえるべく、 とびっきりの作り笑顔で 先頭を歩いていた親ゆっくりれいむに話しかけた。 「こんにちは!!」 「ゆゆっ!?おじさんはゆっくりできる人?!」 「うん。ゆっくりさせてね」 「「「「「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」」」」」」」」」」」 俺が、ゆっくりさせてくれ、と言うと ゆっくり一家全員の、ゆっくりしていってね、の大合唱が。 俺は、計画どおりに事が進んでいて作り笑顔ではなく 本当の笑顔が顔にできていた。 「ゆゆ!!おじさん、どうしたの!!??」 れいむは、俺の笑顔の変化が分かったのか 質問を問いかけてきた。 答える必要はない。 俺はその発言を無視してゆっくり一家に提案をした。 「おじさん、もっとゆっくりできる場所を知ってるよ。 来ない?」 「いく!ゆっくりつれてってね!!」 親れいむが、俺の嘘にだまされた。 ふはははははは、これで貴様は一生ゆっくりできない。 「れーむもいきゅ!」「いきたいんだぜ!!」 子ゆっくり達も行きたいコール。 「ゆっくりつれてくんだぜ!!」 これまで黙ってた親まりさも。 「わかった。じゃあ、ちょっと待ってね」 俺は、素早く背負っていた籠にゆっくり一家を入れる。 「ゆ”ゆ”!ぜま”い”よ”、お”じさん”」 「ゆ”っぐり”でぎな”い”ん”だぜ・・・!!」 ゆっくり一家は、自分たちがいる場所の狭さについて 俺に文句を言ってきた。 もう籠に入れてしまえばこっちの物だ!! 「うるせえ!!」 俺はそう叫ぶと、ガツガツとわざと籠を揺らすように走った。 「ゆ”!」 「ぶ!」 ゆっくり達のつぶれる声が聞こえる。 潰れる、と言っても死ぬほどでもない。 家まで、籠を揺らしながら走った。 家に着くと、すぐさま籠を開けてゆっくり達を開放する。 親ゆっくり達のブーイングの嵐が始まる。 「おじさんどういうこと!!赤ちゃん達になにかあったらどうしてくれるの!!」 「オレシラネ」 「ゆっくりあやまるんだぜ!あやまったらゆっくりここからでていくんだぜ!!」 「これからここはれいむたちのゆっくりプレイスにするよ!!」 「「ゆっくりあやまってね!!」」 「オレシラネ」 俺は、さっさと作戦を実行するべく、巨大な薬缶を取り出した。 「おじさん、なにそれ?」 「ゆっくりせつめいするんだぜ!!」 子れいむや、子まりさ達が、興味津津に話しかけてくる。 「これはね、ゆっくりできる部屋なんだ。 ちょっと小さいけど、とってもゆっくりできるんだ。 かぞくみんなで入ってね。」 「ゆゆ!だまされちゃだめだよ!!」 親れいむは、俺の事を警戒しているらしい。 そりゃそうだ。揺らされて、所々怪我をしたし 赤ちゃんも、もしかしたら死んでいたかもしれない。 「ごめんね、れいむ。 これをあげるから、許してくれ。」 そう言って、う●まい棒(袋に入ってる)を渡した。 「ゆゆ!おじさんありがとう!!ゆっくりゆるしてあげるね!!」 親れいむは、幸せそうにう●まい棒を見つめて言った。 親まりさも、今さっきまでの警戒心は無くしたらしく 幸せそうにう●まい棒を見つめていた。 ゆっくり達には、手足が無い為、 う●まい棒の袋を誰かに開けてもらうまでは食べられない。 その為か、ゆっくり両親達は涎を垂らしながら、う●まい棒を見つめていた。 子ゆっくり、赤ちゃんゆっくりも涎を垂らして見つめていた。 俺は、この隙に、と思い、 薬缶の中へゆっくり一家を詰め込んだ。 「ゆゆ”!ぜま”い”よ”!!」 親れいむの苦しみの声が聞こえる。 子れいむ達の声もだ。 俺は、携帯用のコンロを出した。 火をつけて、ゆっくり達の入っている薬缶を置いた。 「・・・任務完了♪」 まだ火に当てたばかりだから熱は伝わってこないだろう。 数分後 「おじさん!!あづいよ!! ゆっくりだしてね!!」 蓋をする部分のちょうど真下にいた子れいむが言った。 「ヤダ」 「ゆ”う”う”う”う”う”!!あ”づい”よ”ぉぉぉぉぉぉ!!」 薬缶の一番下・・・、コンロの火がジャストヒットしている 子れいむが叫んでいた。 数十分後 「ゆ”う”!!あ”づ”い”よ”お”お”お”お”お”お”!!」 親れいむの声が聞こえる。 泣きながら叫んでいるのだろうか、とても痛々しい声で叫んでいた。 今さっきまで聞こえていた、薬缶の最下層の子れいむの声が聞こえなくなった。 もう虫の息なのだろう。 「はやくだすんだぜ!!」 親まりさが叫んだ。 俺は不思議に思った。 数十分も火に当てられてなぜそこまで平気に叫ぶことができる? 俺は、薬缶の中を覗いてみた。 なんと、親まりさは子まりさを自分の周りにおいて 暑さを防いでいたのだ。 親まりさは、子供などを平気に裏切ると聞いたが 本当だったとは・・・。 「チッ」 俺は舌打ちをした。 苦しんでいないとは、俺の努力はなんなんだ。 怒りを込めて、親まりさへ目つぶしをした。 「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」 ざまみろ そして、数分後 今さっきまでの叫ぶ声はなくなり、 呻き声などが聞こえ始めた。 「お”み”ずち”ょ”う”だ”い”い”い”い”」 来た!来た来た来た! ついに最後の〆の時が来た。 俺は興奮して、ゆっくり一家に喋り掛けた。 「水がほしいのか!! いまあげるぞ!!」 「ゆゆ・・・ありがとうおじさん・・・」 「ゆ”う”・・・」 もう死にかけである。 俺は、バケツにいっぱい水を汲んで来た。 「今やるぞ!!」 手で水をすくい、三回、水を入れてやった。 「ゆぅー」 「このくそじじい!!れいむをゆっくりしないでだしてね!!」 「じじいはさっさとしね!!!」 俺に文句を言い始めた。 そろそろ、とどめをさすか。 そう思い、水をすくって薬缶の中に入れてやった。 大量の水だ。 そして、蓋をした。 「ゆ”ゆ”!!く”ら”い”よ”!! あ”づい”よ”!!!」 「あのくそじじい!ま”り”さ”の”め”を”つ”ぶし”た”ん”だぜ!しね!!」 今さっき目を潰された親まりさは、恨みを込めて一家全員へと喋っていた。 暑さ防ぎにされている子ゆっくり達は、聴いていない。 俺は、コンロの火を強火にした。 「ゆ"!む”じあ”づい”よ”!!」 「れ”い”む”の”がら"だが!!!」 「あ”づい”ん”だぜ!!」 そう、今さっき俺が入れた水でゆっくり達は蒸されているのだ。 皮はブヨブヨになり、中の気温も上昇し、 ゆっくり達にとっては地獄だ。 さすがに親まりさも、熱い熱いと言い始めた。 数分後 俺は、ゆっくり達の声が聞こえなくなったので薬缶を開けてみることにした。 すごかった。 中のゆっくり達は、どろどろに溶けて原形をとどめてない。 髪飾りのリボンや、帽子が、どろどろに溶けた餡子に入っていた。 俺は、お餅を入れてお汁粉にすることにした。 「いただき・・・もす・・・!!」 灼熱という地獄を味わったゆっくり達の味は格別だった。 甘い。とにかく甘い。 俺はぺろり、と食べきってしまった。 「次は・・・、アリスのクリームでクリームパンでも作るかな」 俺はニヤニヤと笑みを浮かべた。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/558.html
「ゆっくり記念日」(後編) (前編) (7月22日 作者により一部改訂) (12月1日 作者により一部改訂) 「そぉい!!!」 ベシャアァ!!! 僕が腕を大きく振り下ろすと、床には円形の餡子の跡が残った。 皮が裂かれて飛び散ったのか、ところどころ肌色の塵が混ざっている。 残り11匹となったゆっくり一家は最初ぽかーんとしていたが、徐々に状況を把握し始めた。 「ま、まりざのあがぢゃんがああああああああああぁああぁぁ!!!!!」 「ありずの゛!!ありずの゛がわいいあがぢゃんがああああああああぁぁぁぁぁ!!」 2つの箱が仲良く震えている。いい響きだ。 残り9匹の赤ちゃんゆっくりも、その目に焼き付いた光景に怯えきっていた。 「どぼじで!!どぼじでまりじゃを!!」「あっぢいっで!!おにーざんはゆっぐりぎえでね゛!」 「いぎゃああああああぁぁぁぁ!!!」「まりじゃがじんじゃっだあああああぁぁぁぁ!!!」 「でもしょうがないじゃん。君達ゆっくりしたかったんでしょ? その代わりにまりさがゆっくりできなくなったの。だからこれは君達のせいだよ!!」 「ゆ…!?なにいってるの!!へんなこというとおこっちゃうよ!!」 「君達9人は、多数決で“自分達だけゆっくりする”って決めたでしょ? だからあのまりさはゆっくり出来なくなっちゃったの!かわいそうだよねぇ…しくしく♪ まりさも一緒にゆっくりしたかっただろうに、“君達が決めた”せいでゆっくりできなくなっちゃった!!」 「ゆぐっ!!ゆわあああああ゛あ゛あ゛あ゛あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 さも残念そうに、僕は餡子の爆心地を見下ろしながら言う。 赤ちゃん9匹は最初、自分のしたことの重大さに気づいて発狂したような声を上げていたが… 次第に沈黙を取り戻し、相変わらず何か言いたげだが…無言のままお互いを見つめ合っている。 「さーて、次はどの子がゆっくりできなくなるのかなぁ…この子にしよう!」 適当に赤ちゃんありすをつまみ上げフォークに突き刺す。もちろん死なない程度に、だ。 「ゆぎゃああああああぁぁぁぁ!!いだいいだいいだい!!ぬいでおおおおおおおぉぉぉぉ!!!」 用意したカセットコンロに火をつけて、フォークに刺さった赤ちゃんありすを火あぶりにしていく。 「ゆんぎゅああああああぁぁぁおおおあお!!!!あづぐでゆっぐりでぎゅないいいぃぃぃぃ!!!」 「ふふふ、ゆっくり焦げてね!ありすたちがお兄さんの家を荒らすからいけないんだよ!」 「なんでえええぇぇぇぇ!!!ごごはありしゅたぢのおうdいだあああああづいいいいいぃぃぃぃ!!!」 不適切な発言があったので、もっと炎に近づけてやった。 おっといけない。あんまり炎に近づけると餡子まで焦げて、不味くなっちゃうね。 丁寧に丁寧に、餡子が焦げないように、皮がパリパリになるように焼いていく。 「おねがい!!がわいい゛あがちゃんをおろじであげで!!やぐのやめでね゛!!」 箱の中から汗や涙など数種類の体液をばら撒きながら、まりさとありすが懇願してきた。 それを聞いて、僕は一旦赤ちゃんありすを焼くのを止めて、フォークに刺さったまま床に押し付けた。 「ゆべっ!!」 「じゃあこれからお兄さんが出す問題に答えてね!答えられたら焼くのを止めてあげるよ!」 「ゆ…わかったよ!ありすといっしょにかんがえれば、どんなもんだいでもこたえられるよ!!」 「そうだよ!!とかいはのありすはものしりだから、かんたんにこたえちゃうよ!!」 「「だからさっさともんだいをだしてね!!」」 その自信がどこから出てくるのか、頭を切り開いて探してみたい。 ま、それは機会があったらと言うことで。 「では問題です。『3+3-す=?』はなーんだ?ゆっくり考えてね!」 僕は再び赤ちゃんありすを火あぶりにし始めた。 「ゆ!!ゆっくりしないでかんがえるよ!!えーと!さん+さん…」 「ありすもかんがえるからね!!サン+サンが…」 両親がない頭を必死に使って考えている間に、赤ちゃんありすの接地面が焼き終わった。 次は背中だ。背中、頭頂部、左右、最後に顔面を焼くのが美味しい焼き方なのだと教わったことがある。 当時はまだこのゆっくりたちを愛していたから、焼くなど恐ろしくてできなかったが、今は… 「ゆぎゃあああああぁぁぁぁぁ!!!もうやべで!!ありずじんじゃうううううぅぅぅぅ!!!!」 この悲鳴を聞くたびに、胸がキュンってなるから不思議だ。 特に、火に近づけた瞬間の声がたまらない。僕は一旦、赤ちゃんありすを火から遠ざけた。 「ゆ?たしゅけてくれるの?」 「さて、お母さん達が考えてる間に、ありすもお勉強しようか…質問です。ここは誰のおうち?」 「ゆ!!ここはありしゅたちのおうちだyうぎゅええええああ゛あ゛おあおあ゛お゛あおあおあお!!」 不正解だったのでペナルティを与える。いい具合に焼けているので、香ばしい匂いが漂ってきた。 こうして正解するまで焼き続ければ、賢い赤ちゃんになる頃には全身丸焦げになっているだろう。 「もう一回聞くね!ここは誰のおうち?」 「ゆぎゃあああああああ!!!ごごば!!!ありじゅのうんげtrがえおうろあおああああ!!!」 「もう一回聞くね!ここは誰のおうち?」 「どうぢで!?ごごはありじゅのおうぢなあtgじゃじgじおあえじgじおあいじじょr!!!!」 「もう一回聞くね!ここは誰のおうち?」 「うわああぁぁぁぁぁぁ!!!ごごはありじゅだちのおうぢおあえじおrgじおあえじおgじお!!!」 この悲鳴があれば、同じ質問を何回しても退屈しない。 赤ちゃんありすの目に浮かぶ涙は、流れ出る前にジュウっと蒸発する。 何十回同じ質問をしただろうか…赤ちゃんありすはやっと正答してくれた。 「もう一回聞くね!ここは誰のおうち?」 「ゆぶっ…ごごは!…おにーしゃんのっ!…おうちでずううぅぅぅ…」 「はい正解です!!ご褒美に顔面を焼いてあげるね!」 そう言って、顔面から炎に突っ込んでやる。 赤ちゃんありすはもう声も出せず、代わりに両親ゆっくりの悲鳴が聞こえてきた。 「ゆぎゃあああああああぁぁぁ!!!おにーざんそれいじょうやめでえええええぇぇっぇ!!」 「さっきの問題の答えはわかった?」 「わがらないよおおおおぉぉぉ!!!ぞんなのいいがらあがぢゃんやがないでえ゛え゛え゛!!!」 「それじゃダメだな。赤ちゃんは助けられないね!」 そのまま赤ちゃんありすの顔面を焼き続ける。そして… 「えびゅえあおあおあいりいりいいいいい!!!ゆっぐりぢだがっだおおおおぉぉぉ……!!!」 赤ちゃんありすは、ぴくりとも動かなくなった。“ゆっくりの丸焼き”の完成である。 「上手に焼けましたー♪」 「あがぢゃんがあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「ありしゅのおねーたんがあああああぁぁあ゛ぁぁ!!!」 「まりしゃのいもうどがどうじでええええ゛え゛え゛ぇぇぇぇぇ!!!」 一家の悲鳴をBGMに、僕はご機嫌な口笛を吹きながらゆっくりの丸焼きを包丁で真っ二つにする。 それをひとつずつ、親ゆっくりが収まっている箱の穴から中に入れてやった。 「ほれ、お腹すいただろう。食べていいよ!」 「ゆぎゃあああぁぁぁ!!いらない゛!!!あがぢゃんはだべないよ゛!!!」 「とがいははじぶんのごどもはだべないんだよ!!ゆっぐりごごがらだじで!!」 丸焼けになった子供には見向きもせず、僕に訴えかけてくる。 まだ理解できていないようなので、僕は身の程を教えてやることにした。 もちろん、赤ちゃんゆっくりには聞こえないように…である。 「それを食べないと他の赤ちゃんを殺すよ。それとももっと食べたいの?くいしんぼさん♪」 「ゆっ!このこだけたべるからね!!ゆっくりたべるから、ほかのあかちゃんはやかないでね!!」 まりさとありすは、目に涙を浮かべながら赤ちゃんの丸焼きを食べ始めた。 それを見て周りの赤ちゃんが何も言わないわけがない。 「どうじで!!どうじでおがーじゃんがおねーじゃんをだべるの!!ゆっぐりやめで!!」 「ひどいよ゛!!だべじゃうなんでひどいよ゛!!」 「ゆぐっ…ごめんね……あのよでゆっくりしてね…!!」 必死に“元”赤ちゃんを飲み込もうとするまりさとありすに、赤ちゃん達の声は届いていない。 あの世へと旅立った自分の子供に、繰り返し謝りながら飲み込んでいく。 精神的には自分の赤ちゃんなど食べても美味しくないのだろうが、僕が料理上手だったおかげで 身体はすんなりと焼き饅頭を受け入れている。 「ゆ゛っ!たべおわっだよ゛!!もうひどいごどじないでね゛!!」 「ゆっぐりごごがらだじでね゛!!あがぢゃんどゆっぐりざぜでね゛!!」 食べ終えた両親は、涙目で僕に訴えてくる。 最後の準備もあるので、一旦まりさとありすを箱の外に出してやった。 途端に赤ちゃん達へと駆け寄っていくのだが…赤ちゃん達はそんなまりさとありすから離れるように後ずさりした。 「ゆ!?どうしたの!?おかーさんたちたすかったよ!!」 「もうこわくないよ!!いっしょにゆっくりしようね!!」 そう呼びかけても、赤ちゃん達は逃げていくばかり。 理由?そんなの聞くまでもないだろう。 「こどもをだべるおがーさんどはゆっぐりでぎないよ!!ゆっぐりどっかいってね!!」 「もうおがーざんはおがーざんじゃないよ!!ゆっくりしんでね!!」 「どうじで!!どうじでぞんなごどいうの゛ぉ!!おがーじゃんがだじげであげだのに゛いぃ!!!」 「ひどいよ゛!!がんばっでだずげであげだんだよ゛!!??」 両親にしてみれば、他の子を助けるために既に死んでいた子を食しただけなのだが… それを見ていた赤ちゃんの目には、自分の子供を食べる酷い親という風に映ったのだろう。 僕はそんな親子のやり取りを聞きながら、最後の準備を終えた。 床に置かれているのは、空っぽの水槽と大きなバケツ。 バケツのほうには溢れんばかりの水が入れてある。 「さぁ、悪いお母さん達は放っておいて、こっちでゆっくりしようね!!」 パンパンと手を叩いて8匹の赤ちゃんゆっくりを呼び寄せる。 『ゆっくり』という言葉に誘われた赤ちゃんを、一匹ずつ水槽に入れてやった。 いつもなら文句を言うところだが、大き目の水槽だからなのか今回はちょっと様子が違った。 「これでゆっくりできないおかーさんからはなれられるね!!」 「ひどいおかーさんとさよならできゆよ!!」 「わりゅいおかーさんはどっかきえてね!!」 水槽の中に収まった赤ちゃん達は、逆に喜んでいる。 よっぽど子供を食べた母親が許せなかったのだろうか。ここまで来ると両親がかわいそうだ。 「よいしょっと!」 僕はバケツを持ち上げて、少しずつ水槽に水を入れていく。 途端、中の赤ちゃんゆっくりたちが大声で騒ぎ始めた。 「おにーさん!!みずをいれないでね!!ゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「ここじゃゆっくいできないよ!!ゆっくりここからだちてね!!」 異常を察知したのは、子供達だけでなく親もだ。 「みずをいれないでね!!みずをいれたらあかちゃんがゆっくりできないよ!!」 「ありすのかわいいあかちゃんをいじめないで!!ゆっくりそこからだしてあげてね!!」 あれだけ罵倒されたのに、まだ赤ちゃんが恋しいらしい。 そこまで言うなら仕方ない、助かる可能性を提示してやろうじゃないか。 僕は水を入れるのを止めて、まりさとありすを見下ろした。 「それじゃまりさとありすがバケツの中に入って水を全部飲んでね!! そうすれば水槽に水を入れられなくなるから、赤ちゃん達は助かるよ!!」 「ゆぐっ!!…ゆゆゆ……!!」 唸りながら考え込む、まりさとありす。 バケツの中に入る…それは、自分の身体が水に侵されるのに耐えながら、水を飲まなければならないということだ。 「おかーしゃん!!ゆっくりたちゅけてー!!」 「がんばってね!!がんばってありしゅたちをたすけてね!!」 さっきまで親を罵りまくっていた赤ちゃん達も、手のひらを返したように言うことが変わった。 そういう自分の言動の矛盾に、ちょっとは違和感を感じないのだろうか…? 「ゆ!!わかったよ!!まりさはみずをのむよ!!」 「あ、ありすもてつだうよ!!まりさだけにつらいおもいはさせられないよ!!」 「おー、素晴らしいね、その子を想う気持ち。じゃあ今からバケツに入れてあげるけど… もしどっちかが『助けてー!』と言ったら僕は君達を助けてあげる。その代わり、残った水は全部あの水槽の中だ」 僕が指差した水槽の中では、8匹の赤ちゃんゆっくりが震えてこっちを見ている。 そんなまなざしが、まりさとありすの決意を後押しした。 「わかったよ!!ぜったいあきらめないよ!!ゆっくりまりさをバケツにいれてね!!」 「そのつぎはありすのばんだよ!!ありすもバケツにゆっくりいれてね!!」 2匹の要求どおり、僕は2匹をバケツの中に入れてやった。 そんなに喉が渇いていたのだろうか、必死に水を飲み始める。 最初は順調だ。まだ水が身体に染み込んでいないからな。 「ゆっきゅりがんばれー!!」「がんばれおかーしゃん!!」 水槽の中の子供達も応援している。その声援を受けて、2匹の親はさらに必死になるのだ。 必死になったところでどうにかなる量じゃないけどね。 「ゆっぷ!あっぷ…ぐ、ぐるじいよ…だず、…な、なんでもないよ!!」 いつものクセで助けを求めそうになるありす。しかし、寸前でその言葉を止めた。 バケツを覗いてみると、水位が1センチぐらい下がっている。 なかなか根性があるじゃないか。だが…無駄な抵抗だな。 その証拠に、2匹の身体は水が染み込んだせいでぶよぶよになっている。 水分を含んだ部分が膨らんでくるのも時間の問題だ。 「ゆあっぷ!!まだ…のめるよ!!」「ゆっぺ!…のむよ…がんばるよ…!」 問題はそれだけではない。そもそも2匹の身体の大きさからして、数リットルの水を飲みきれるわけがないのだ。 腹が膨れて飲めなくなるのが先か、バケツの中で餡子を吐いて死ぬのが先か、ギブアップするのが先か。 どう転んだとしても、僕にとってはどうでもいい。 …と思っていたが、このまま待っているのも退屈なのでちょっと手を加えることにした。 「それ!」 僕はまりさの頭を抑えて、水底に押し込んでやった。 びくびくと震えたところを上げてやると、苦しそうに呼吸し始めた。 「ゆっぷ!!おにーさん…やめてね…くるしくてしずんじゃうよ…!」 「止めないよ。止めるとお兄さんが楽しくなくなっちゃうし」 「や、やべで!まりざだのじぐない!ゆぶぶ…ぶはっ……いやっ…やめ゛!」 同じようにありすも水の中に押し込む。交代交代に押し込むと、交互に悲鳴が聞けてなかなか楽しい。 「おいおい、さっきから水が減ってないぞ。本当に子供を助ける気、あるの?」 「ゆっぶ!だ、だじゅげるよ゛!!だがらじゃまじないでね゛!!」 「あぶぶ…ごくんっ…ごくんっ!!まだまだのめるよ゛!!」 水槽の子供達は、まだ期待している。その顔を見れば分かる。 このままいけば自分達は助かる、ゆっくりできる…そういう期待の顔だ。最高にイラっとさせてくれる。 …僕は、その希望を打ち砕くことにした。 「そーれ!」 「ゆぶぶびゃばがああばああ……!!」 ありすを思い切り水の中に押し込み、バケツの底に押し付ける。 痙攣がだんだん強くなっていくが、酸欠では死なないのでそのままにしておく。 僕の手にありすの身体がぶよぶよ膨らむ感覚が伝わってきて…僕はその手を離した。 「ゆばはあああ、はあぁぁ、もうだめだよ!!たずげでぇ!!!」 その瞬間、あたりがしんと静まり返った。 「わかった!助けてあげる!」 僕はにこっと微笑んで、2匹をバケツから引き上げた。 既に至るところが水を吸い込んでぶよぶよに膨らんでいる。よくここまで耐えたもんだ。 「さて、約束どおり…」 「まってね!!まりさは『たすけて!』っていってないよ!!まだみずをのめるよ!!」 「勘違いするなよ。僕は『君達を助ける』って言ったよね。『君達』ってことは、まりさとありす2人だよ。 別々に助けるなんて、一言も言ってないよね!ゆっくり理解してね!」 僕の説明をゆっくり理解した2匹は、その場で固まってしまった。 バケツを持って水槽のそばに立つと、赤ちゃんゆっくりたちが潤んだ目で僕を見つめる。 「あーあ、役立たずのお母さんのせいで、君達はゆっくりできなくなっちゃうね!!」 「お、おにーさん!!ゆっくりやめてえ!!」 「おがーざんのばがー!!どうじてあぎらめるの゛!!もっどがんばっでよ゛!!」 「ゆっくりみてないで!!おにーさんをやっつけてよ゛!!」 はっとした親2匹は、僕の元へ来ると脚に突進してきた。 僕をどうにかして倒して、水槽に水を入れさせないようにするため…自分に出来る最後の努力。 「ゆっくりやめてあげてね!!あかちゃんをたすけてね!!」 「ありすのかわいいあかちゃんをいじめないで!!」 だが、自分が敵う相手かどうかを考える頭はないらしい。 僕はにこにこしながら、2匹を適当に蹴り飛ばした。 「ゆべっ!!」「ゆっぎゅり!!」 「さーて、赤ちゃんたちとは永久にさようならでーす!!はい、水投入♪」 ザバアアァァァァン!! バケツの中の水が、水槽を満たした。 波に飲み込まれながらも、赤ちゃんゆっくりたちは必死に水面を目指している。 「ぷはっ!た、たちゅけてよぉ!!じにだぐないよぉ!!」 「無理無理♪だって、君達のお母さん君達を助ける気ないもん!」 「ゆびゃああああぁ!!じぬぅ!!みずはいやあああ゛あ゛あ゛!!」 「本当に助ける気があったら、バケツの水ぐらい全部飲めちゃうのに!」 「おがーぢゃああぁぁぁん!!みでないでだじゅげでよおおおぉぉ!!」 「今だって、ほら。本当に助ける気があるなら僕に頼めばいいのに。『水槽に入れて!』って」 「おがーじゃんのばが!!ゆっぐりじでないでだじゅげでええぇぇぇぇ!!!」 「お母さん達は君達を助けようとしない、酷いお母さんだね!!」 「おがーしゃんなんかしんじゃえ!!だじゅげでぐれないおがあぢゃんはゆっぐりじね゛!!」 水槽の中の子供達の罵る声。『しね』『ばか』と際限なく母親に降り注ぐ。 水に飲み込まれて苦しむ様を見て、まりさとありすは驚愕の表情で固まっていた。 動くのは口だけ。その口が、絶望の悲鳴を奏でる。 「あ…あぁ…ああああぁぁぁっぁぁぁあ!!!!」 「ゆがあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 数分後…赤ちゃん達は次々と水槽の底に沈んでいき… 「ゆぶ…もっどゆっぐりじだがったよ゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉ……!!!」 最後まで、母親を憎しみの目で見つめながら…最後の赤ちゃんが水底に沈んだ。 赤ちゃんの壮絶な最期を見届けて、なお微動だにしないまりさとありす。 水槽に餡子屑を、じっと見つめている。 「どうして…どうしてこんなことをしたの…!?」 「ここまでされてまだ分からないの?僕は君達が昨日したことを怒ってるんだよ。 部屋を滅茶苦茶にしたでしょ?花瓶割ったでしょ?土で汚したでしょ?」 「ひどいよ!!それぐらいでおこらないでね!!」 瞬間、僕は拳でありすの頭を一気に押しつぶした。 致命傷には至らないが、苦しそうに餡子を吐いている。 「ゆぎゃあああぁあぁぁぁいだいいいぃぃぃぃ!!!!」 「今まで一年間ずっと楽しく過ごしてきたのに。お兄さんは君達を信用してたのに。 昨日まで、僕は君たちの事とっても好きだったのに…昨日お部屋であんなことされちゃったから、 お兄さんは君たちの事すっごく嫌いになった。だからこういうことをしたんだよ」 水槽に浮遊する8匹の残骸。親2匹の腹に収まった焼き饅頭。床の上に同心円状に広がった餡子のペースト。 ただ殺すだけでは意味がない。たくさんたくさんたくさん苦しめなければならない。 親に苦しんでもらうためには、子供を苦しめるのが一番だった。それだけだ。 「ゆっぐ……………まりさたちは…きのうをゆっくりたのしみにしてたのに!!」 「昨日…?」 「“きねんび”だよ!!まりさたちがおにーさんにはじめてあったときの“きねんび”だよ!!」 昨日が“記念日”。 それは、僕とまりさ、ありすが会った日。僕が“ゆっくり記念日”と名づけたものだ。 ちょうど一年がたって、昨日がゆっくり記念日だった。 どうせ覚えていないだろうと思って、2匹に黙っていたのだが…まさか覚えていたのか? 「“きねんび”だから、おにーさんにありがとうっていおうね!って、ありすとがんばっでじゅんびじだの!!」 「とかいはのごーでねーとなら、おにーさんよろこんでくれる゛っておもっだの゛!!」 まりさとありすの口から、ゆっくりと真相が語られる。 昨日、僕の帰りを待っていた2匹は、記念日のパーティの準備をしていたらしい。 『ゆっくりじゅんびしようね!!』 『きねんびのぱーてぃのじゅんび!!おにーさんきっとよろこぶよ!!』 あの部屋の荒れ様は、ありすが提案した『都会派のコーディネート』なのだとか。 一年間、ゆっくりさせてくれた僕に対するお礼の気持ちをこめて… 『きょうはおにーさんをゆっくりさせてあげようね!!』 『ふたりでおにーさんに「いつもゆっくりありがとう!」っていおうね!!』 『じゃまなものはどかそうね!てーぶるのうえのものもじゃまだからどかすよ!!』 ガシャーン!! 『ゆっくりできるように、つちをもってこようね!!』 ドサァッ!! 『じゃまなものをどんどんおとすよ!!とかいはのこーでねーとだよ!!』 2匹で一所懸命頑張った。パーティで僕に伝える言葉も決めていたらしい。 そして僕が帰ってきて…あとは僕の知るとおりだ。弁解の機会も与えず追い出したのだった。 「なのに!!なのに゛!!おにーざんは!!おにーざんはああぁあっぁぁぁぁ!!!」 僕は…今まで壮大な誤解をしていたということか。 こいつらは、人間らしい心を忘れずに持っていたのだ。 一年ぶりの記念日を、僕に対する感謝をもって、ゆっくり迎えようとしていたのだ。 なのに、僕はたったひとつの誤解で…記念日の翌日の今日、まりさとありすの赤ちゃんを皆殺しにした。 信頼を裏切ったのは、僕のほうだったんだ… もし、昨日までの僕だったら、誠心誠意2匹に謝っていただろう。 だが、残念なことに……“昨日までの僕”は、ここにはいない。 ここにいるのは、今日からの新しい僕だ。 「あー、そういうことね。あのさ、そういうの気持ち悪いから、やめてくれる?」 「ゆ゛!?」 「低脳饅頭のクセに一年前の記念日覚えてるとか、正直引くんだよね」 そこらへんに落ちていたスリッパでぺちぺちと2匹の頭を叩く。 その都度「ゆ゛っ!」「びゅ!」と声を漏らすので、面白くて止められなくなる。 これはもう中毒と言ってもいい。僕はこいつらを虐めることに病み付きになってしまっていた。 「お前らさ、ゆっくりの分際でどうして一年前のこと覚えてるの?そんなのゆっくりじゃないでしょ? ゆっくりならゆっくりらしく、身分を弁えないで自分の主張を繰り返す図々しい饅頭じゃなきゃダメでしょ?」 「おにーさん!!なにいってるのぶべぇっ!!」 「今はお兄さんが話してるの。口を挟まないでね!」 強くスリッパで叩くと、ありすの頭が足型に凹んで面白い顔になった。 僕はまりさの帽子を脱がせて頭を叩きながら、お説教を続ける。 僕の笑顔を見て、2匹は何故か震え上がっていた。 「君たちはゆっくりらしくゆっくりしていってね! お兄さんはお兄さんらしく、君たちを“かわいがる”ことにするから!」 僕は今までの自分の愚かさに気づいた。 今までの僕のゆっくりに対する接し方は間違っていたんだ。 そういえば、友達も何度か忠告してくれていた。『ゆっくりはそうやって扱うものじゃない』って。 友達の言うとおりだった…ペットみたいに優しく接していた僕がバカだった。 だって、こうやって虐めて虐めて虐めまくって、悲痛な叫びを聞くほうが何百倍も楽しいじゃないか!! あー愚かだった愚鈍だった能無しだったクズだったアホだった間抜けだった! この1年という時間を返して欲しい!!どうして僕はこんなにも無駄な時間を過ごしてしまったのか! それもこれも、こいつら2匹が無駄な躾を受けていい子に育てられていたのが悪いんだ! もう、2匹が何をどう考えているかとか、部屋を滅茶苦茶にしたとか、そういうのはどうでもいい。 2匹を思う存分虐めて悲鳴に耳を傾ける…その劣情に近い快感の虜になってしまった。 その事実だけで、他は何も関係ないし意味もない。僕の欲求だけが、まりさとありすを支配するのだ。 ふと後ろを振り向くと、まりさとありすが今まさに逃げ出そうとしているところだった。 僕は2匹の頭をむんずと掴んで、無理やりこちらを振り向かせた。 「ゆ、ゆっくりはなしてね!!まりさはありすとゆっくりするからね!!」 「ゆっくりでていくからね!!おにーさんはひとりでゆっくりしていってね!!」 そんなまりさとありすに対して、僕は満面の笑みを向ける。 「そんな寂しいことを言うなよ。ゆっくりかわいがってあげるから…さ」 極上の笑みを、見せてあげた。 それから。 お兄さんと、まりさ、ありすの新しい生活が始まった。 まりさとありすは、今までどおりゆっくりしていたが…何か粗相をすると、いつもお兄さんに虐められた。 不味いご飯を食べさせられた。お風呂に入れてもらえなかった。 外に出してもらえなかった。遊んでもらえなかった。砂を食べさせられた。熱湯を飲まされた。 目にわさびを塗られた。舌にからしを塗られた。ほっぺをちぎられて餡子を吸われた。 舌をちぎられた。目を片方えぐられた。タバコの火をなくなった目のほうに押し付けられた。 髪飾りを取られて届かないところに置かれた。髪の毛を引きちぎられて丸坊主にされた。 もはや見分けがつかないので、2人まとめて『坊主』と呼ばれるようになった。 それでも。 2匹は逃げようとしない。逃げることが出来ない。 逃げられないように、身体に穴が開けられて紐を括り付けられ、テーブルの脚に固定されていたからだ。 それにこの姿では、もう外に出たところで他のゆっくりには相手にされないだろう。 ガラス越しに外を眺めると、そこにはゆっくり親子が外でゆっくりしている姿。 『ゆっゆっゆ~♪』と親子仲良く歌を歌っている。 その姿を見て、まりさとありすは片方だけになってしまった目から涙を流し、一年前を振り返る。 そこにいるのは優しいお兄さん。そして仲良くゆっくりしているまりさとありす。 まりさとありすが一番ゆっくりしていた頃。お兄さんがおかしくなる前の、幸せな日々。 どうやったらあの頃に戻れるのか。どうしてこんなことになってしまったのか。 少なくなった餡子で考えても、まったくわからなかった。 今日はゆっくり記念日。 まりさとありすがお兄さんに出会ってから、二年が経った。 お兄さんが一年ぶりにカメラを取り出して、写真を撮ってくれた。 もちろん、撮るのはお兄さんと2匹が仲良く並んでの記念写真だ。 撮った写真を、お兄さんは大事そうに写真立てに仕舞う。 大切に飾られたそれを、お兄さんは毎日眺めてはにこにこ笑う。 真ん中のお兄さんの両隣で、目が片方ない同じような饅頭が不気味に笑っている…そんな写真。 ゆっくり記念日の、記念写真。 それは、今もお兄さんの机の上に大事に飾られている。 (終) あとがき ゆっくり虐待中毒…あるきっかけで虐待紳士になってしまったお兄さんのお話でした。 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/335.html
※理不尽な暴力にさらされたりします。 ある昼下がり、青年が林を歩いていると奇妙な物体が目に入った。 それは、狸などの獣を捕えるための罠なのだろう、ごく単純な縄で引っ張り上げる形のものだ それに、一匹の奇妙な生き物が引っかかっている。 いや、それは生き物だろうか?見れば人間の生首をふやけさせたような、そんなぶよぶよとした印象を抱かせる。 青年は抜け首という妖怪を思い出したが、あたりに体らしきものはない。 それにどうやらそれはじたばたともがいているところから、抜け出すことが出来ないようだ。 そこで青年は胸をなでおろし、しかし慎重にそれに近づいていった。 「ゆっくりしていってね!」 喋った。 その首は青年に気づくと朗らかにそう言った。そして 「おにーさん、ゆっくりたすけて!うごけないよ!」 と続けて言った。 そこで青年ははたと思い出した。 これはゆっくり霊夢だ。 詳しくは知らないが、岩魚坊主に似たような妖怪の一種であると聞いていた。 「助かりたいのか?」 「ゆっくりたすけてね!」 「ま、いいか」 青年は特に感慨も持たずに罠から逃がしてやった。 こんな罠に引っかかるような程度では、たとえこちらを食べようとしてきたところで、全力で走れば逃げ切れるだろうという考えがあったのだ。 「これでいいか?」 「ゆっくりありがとう!ゆっくりさようなら!」 それだけいい、ゆっくり霊夢は彼方へと飛び跳ねて行ってしまった。 「ま、酒の肴になりそうな話ができたかな?」 特に風も強いとはいえないのに、いやに雲の流れがはやい夜。 青年はすきま風の音に混じって戸が叩かれる音を聞いた。 こんな夜更けに訪ねてくるような知り合いはいない。青年は緊張した。 もしや妖怪か? しばし黙っていると、また、戸が叩かれた。 「誰だ?」 「……開けてくださいませ、今夜一晩の宿をいただきたいのです」 声からすれば、それはまさに玲瓏珠の如し、美女の声だ。 しかし青年は眉根を寄せた。夜は人間の世界ではないのだ。 妖怪か、ひょっとしたら物取りか。 妖怪だったとしたら昨今無闇に人家に押し入ってまで欲を満たすモノはいなくなったから、まぁそれほど危険ではないだろう。 では物取りは?相手が人間ならば妖怪よりはくみしやすい。そう思い、青年は長めの木の棒を持った。 「よそではだめなのかね?」 「ここには優しいお人が住んでいると聞きましたので」 どうにもこれは引く気配がない。意を決して青年は戸を開けた。 そこにはたしかに一人の女人がいた。黒い髪はつやつやで、白い肌は良い張りをしている。 「ああ、ありがとうございます、これで今夜はぶっ!!」 青年はその女人の顔面に拳を叩きつけていた。 「ぶっぶえぇっ!!どおじでぇっ!?」 頬をおさえて青年を見上げる女性。 「おまえみたいに顔がでかくてぶよぶよの女がいるか!このスカタン!!」 そう、その女人はゆっくり霊夢だったのだ。胴体がついているが、おそらくは変化したのだろう。これでも一応妖怪なのだ。 青年はこれでもかと棒切れで殴り続ける。 体中がへこみ、皮はたわんで裂けてしまい、中身がはみ出たりしている。 「ぶっ!ぶぎゅっ!!やべでっ!!まっで!!れいぶのはなぢをぎいでねっ!!ゆっぐりぎいで!!」 「なんだよ」 青年は棒を振りかぶったまま聞いた。 ゆっくり霊夢は呼吸を整えながら、身を起こすと身なりも整えて 「れいむがおよめさんになってあげるね!」 と微笑みながら言った。 ゆっくり霊夢の顔面に再び青年の拳が埋め込まれていた。 「ゆっぎゃん!!」 「馬鹿か!?なんでおまえなんかに嫁に来てもらわなきゃなんねんだ!?」 そのままゆっくり霊夢の体にヤクザ蹴りを叩き込む。 「いだいっ!!いだいよぉぉうぅっ!!やべでっ!!やべでねえぇえぇえぇっ!!どおじでやべでぐんないのぉっ!?」 足に感じる柔らかい感触が青年を熱くさせる。 「てめえっ!俺が里の女にもてないと思ってやがるなっ!?ああっ!?」 「や゛べでえ゛ぇえ゛ぇぇえ゛ぇぇっ!!ぞん゛な゛ごどじら゛ら゛い゛の゛ぉぉお゛ぉぉっ!!!」 青年に殴られ、朦朧とした意識のなかでゆっくり霊夢は思い出していた。 それは罠から解き放たれ、自分たちの縄張りに戻ったときのことだった。 「ぱちゅりー!にんげんにおれいがしたいよっ!」 「むきゅ?それならこんなおはなしがあるわ」 そう言うとゆっくりぱちゅりーは、鶴の恩返しや鮒女房など、人間に助けられた鳥獣が化けて恩返しをするお話を聞かせた。 そのどれもが、まず人間と結婚し、一緒に暮らすというものだった。 さらにゆっくりぱちゅりーは、他にも人間に恩返しにいったゆっくりたちの話もしてあげた。 ゆっくり霊夢はそれを目を輝かせて聞いていた。 「ゆ!れいむはおにいさんにおんがえしをするよ!!」 「むきゅん、そう。わかってるわね?」 「ゆ!ゆっくりりかいしてるよ!」 そう、人間には…… 「れいぶはごおんがえじにぎだのぉぉっ!!!」 「ああ?おんがえし?なんのこっちゃ」 息も絶え絶えなゆっくり霊夢はぴくぴくと身じろぎしてなんとか起き上がろうともがく。しかしもはや体は動きそうにない。 体は損傷が激しく、裂けて千切れてたわんでいた。動くだけでも激痛がはしるはずだ。 「恩返しってなんだよ?」 「れ、れいぶのがおをだべでねぇ……」 「はぁ?」 ゆっくり霊夢は聞かされた物語のとおりにするつもりだった。だが、この痛んだ体では結婚生活など出来ようはずもない。 だから、正体がばれた時のための言葉を言った。それはゆっくりという妖怪たちにとって最大限の恩返しだったのだ。 「れ、れいぶのがらだはおまんじゅうだがら、きっどおいじいよ!ゆっぐりたべでね!」 「饅頭ねぇ」 呟き、青年はリボンのように膨らんでいる部分を千切った。 「ゆ゛っ!」 身を千切られる痛みに小さく鳴くゆっくり霊夢。だがその表情は紅潮していて、どこか嬉しそうだ。 恩返しのための傷だからに違いない。 確かにその手触りは饅頭のような感じだった。 見れば中には餡子のようなものがみっちりと詰まっている。 皮が赤く染まっているからには苺などの味でもついているのかもしれない。 青年はそれの匂いを嗅ぎ、悪くなっていないかを確かめる。それはほのかに甘い匂いがした。 「ふむ。たしかに食べられそうだな」 そう言うと青年はその肉片を口に入れて咀嚼し始めた。じっくりと味わうように噛んでいる。 「そ、そうだよ!!れいむはおいじいよ!ゆっくりあじわっでね!」 ゆっくり霊夢が期待に目を輝かせた。これで恩返しができる! べっ! 「ゆ?」 青年は口に含んでいたゆっくり霊夢の肉片を吐き捨てた。 「まずい。なんだこれ?」 「ゆ?ゆゆ?ゆゆゆ?」 青年はそのままゆっくり霊夢のほっぺを千切りとると、ふたたび口の中に入れた。 「ゆ゛ぐっ!ど、どう?れいむのほっぺはおいしいでしょー?」 「まずい。食えたもんじゃねぇ」 べっ! 噛み砕かれた肉片がゆっくり霊夢に降りかかる。 「ゆっぎゅううぅううぅん!!!どおじで!?」 「てか、お前こんな不味いもん食わせて恩返しとか言ってるのか?馬鹿か?」 「ゆげぇええぇえぇん!!どおじでぞんなごどいうのぉぉおおっ!?どおじでぇっ!!?やざじいおにいざんだっだのにぃいっ!!!」 「不味いもんには不味いとはっきり言う主義だ」 言い切って、青年はぼろぼろのゆっくり霊夢を持ち上げた。 「ゆ?なにするの!?ゆっくりおろしてね!」 「お前を森にかえしてやるだけだよ、二度とうちにくるなよ。恩返しだかなんだか知らんが、初めて喰ったぞあんなクソ不味いもん。あ~~~気ィ悪い」 青年は提灯を片手に家を出た。しかしこんな夜に遠出をして、妖怪に出くわしたら目も当てられない。近場に打ち捨てておくつもりだった。 「ゆ!?だめだよ!おんがえしできなかったらゆっくりできないよ!」 それもゆっくりぱちゅりーが教えてくれたことだった。 「知ったことか」 「ゆぎゅぐうううぅうぅぅううぅぅっ!!!やめてね!ゆっくりはなしてね!!おねがい!!」 青年の手の中で蠢きもがくゆっくり霊夢。 「あ~、もういいや、面倒くさいしこれ以上は危ない気もするし」 青年はそう言うと、ゆっくり霊夢を投げ捨てた。 湿った音を立てて落下したゆっくり霊夢。 「ゆ!?く、くじゃ~~い!くざいよぉぉおっ!!ゆっぐりできないぢょぉおお!!」 ゆっくり霊夢は肥溜めに浸かっていた。 「巣に帰れないんだったらそこにいろ。うちにきたら今度は潰すからな」 青年は非情にもそんなことを言って引き返してしまった。 満身創痍で身動きの取れないゆっくり霊夢はだんだんと肥溜めに沈んでいく。 もがいてももがいても、溜まった人畜の糞尿を掻き乱すだけで出られる気配がない。 「まっでぇぇぇええぇっ!!おいでいがないでぇぇえぇっ!!ゆっぐりできないよぉぉおぉっ!!!」 悲痛な声がどこまでもこだました。 終わり。 「異類婚姻譚」と「見るなの禁忌」は大好物です。 もうちょっと年を経たゆっくりはもっと上手く変化して、それはもう絶世の美女になって結婚生活を営みます。 で、湯浴みを覗かないようにとの約束を破ると「ゆっくりたべてね!」となります。 雪女とかの場合は子供が出来る話もありますけど、こいつらの場合は子供ができません。 後半を変えると愛でスレでもいけそうな気がしたw 著:Hey!胡乱 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1404.html
前 「ふふっ、やっぱり可愛いわよねぇ……今度からは3Pも出来るなぁ」 れみりゃ専用ルームとしてる奥の地下室から出たと同時に、美鈴は含み笑いを漏らした。 「そう言えば、あいつらはどうしてるかしら?」 プレイに没頭して完全に忘れていた、三匹の事を思い出す。 室内をざっと見渡すと、部屋の隅でゆっくりしているのが目に入った。 「あら? あんたたち、どうしたの? そんなところで」 ありすとゆっちゅりーの二匹は密着するぐらい近くに身を寄せ合って、そこから1メー トルほどの距離を置き、まりさが佇んでいた。 三匹とも、もとから締まりのない顔を、さらに惚けさせている。 「ゆっ! ゆっ……ぼ、ぼーっとしてたんだぜっ!」 「あっ、あ、ありすは……その、あの……」 「むきゅー……ぱちぇはちょっとぐあいわるいの……」 話しかけられて、はっとした顔で三匹は答えた。 「あぁ、そう。見てたのね、あんたたち?」 質問ではなく確認である。 「ゆ゛っ! ぞ……そっ、そ゛う゛な゛ん゛だぜぇぇぇぇっ! ゆっ、ゆゆ゛る゛じでぐ だざい゛だぜぇぇぇぇぇぇっ!」 「ご、ごべん゛な゛ざい゛ぃぃぃぃっ! み゛っみ゛でま゛じだぁぁぁぁっ!」 「む゛ぎゅっ! み゛、み゛るべぎじゃな゛いどおぼっだげど……みでまじだぁぁぁっ! お゛っお゛ね゛え゛ざん゛ゆ゛る゛じでぇぇぇぇっ!」 三匹は正直に答えた。 答えながら取り乱して謝り泣き叫ぶ。 「あははっ、別に責めてるんじゃないわよ。見るななんて言わなかったでしょ?」 本当に臆病ねぇあんたたち、と続けて言うと美鈴はけらけら笑いながら、 「あれが人間の交尾よ。初めて見たでしょ? どうだった?」 感想を述べる事を要求した。 泣きやんだ三匹は、しばし答えを探すように押し黙ってから、 「……ゆっ! すっ、すごかったんだぜぇ……ちょっと、こわかったぜ……ご、ごめんな さいだぜ!」 「いっ、いじめてるように……み、みえました……あ、ありすにはしげきがっ、そ、そう しげきがつよすぎまじだぁぁぁっ」 「むきゅ……むぅ~きゅ~……よ、よくわからなかったわ……ごめんなさい……」 三者三様の感想を躊躇いがちに述べた。 「もう、そんな怯えてばっかりだと傷つくわね。ま、身体のないあんたたちには、わから ない、虐めみたいな、怖い事に見えるかもね」 傷つくと言った途端に三匹が青ざめたので、美鈴は笑顔を浮かべて言った。 怯えられていたら、話がしづらい。 「あぁ、そうだ! また今度あんたたちに見せるから、その時は協力してね」 美鈴はプレイのバリエーションを広げられると思った。 「ゆっ!?」 「きょ、協力?」 「むきゅ……ぱちぇたちが?」 あまり見たくはないが美鈴の言葉は絶対である。 それ以上に、四肢のない自分たちが協力できる事があるのか疑問だった。 「簡単よ。ただじっくり見てるだけでいいわよ、最初は」 公開調教、と言う単語が美鈴の頭の中に浮かんでいる。 「見てる間は叫んだり泣いたりは禁止ね。集中できないから。どうしても怖い時は、後ろ 向いてもいいわ」 三匹が見る事に慣れるまで、少し時間がかかるだろう。 「慣れてきたら、ちょっと高度な、難しい事もして貰うわ……あぁ、難しいって言っても、 喋るだけよ」 この三匹ならば、喋らせるタイミングさえ覚え込ませれば問題無さそうだ。 「何を喋ればいいかは今後教えるわ。内容を暗記する必要はないわ。どんな事を言えばい いかだけ、覚えてくれれば」 プレイは水物である。その時そのときで展開が異なるのだから、セリフの暗記ではなく アドリブで喋らせるしかない。 「先にざっと言っておくと、基本的にはお嬢様を罵倒、悪口言ってくれればいいの。情け ないとか、醜いとか、ブサイクとか」 ゆっくりに言葉責めをやらせる気である。 捕食対象に罵倒されて、れみりゃがどう反応するかが楽しみだ。 「いきなり完全を求めたりはしないから、ゆっくり理解してね。あんたたちが役に立つな ら、もっと良い待遇……もっとまともなご飯あげるし、外で散歩もさせてあげる」 飴を提示してみせる。 「でも、覚えが悪かったらお仕置き。役に立たないようなら、虐めるから」 次は鞭をちらつかせる。 「ふふっ、せっかく三匹とも生かしてあげてるんだから、ちゃんと頑張るのよ」 言うだけ言うと、美鈴は三匹の反応も待たず地下室を後にした。 後には暗澹たる表情を浮かべる三匹が残る。 「……ねぇ、ぱちゅりー……おねえさんのいったこと、わかった?」 「むきゅ……だいたい……」 美鈴の姿が消えたので、早速ありすとゆっちゅりーは会話を始める。 「……ゅ……」 まりさは話の輪に加わりたそうな目で二匹を見て、まごまごしている。 二匹との間には1メートルの物理的距離が存在するが、これはそのまま心の距離であっ た。 人間にとっては、せいぜい二歩の距離。 ゆっくりにとっても数回跳ねれば埋められる距離。 しかし、まりさにとってその距離は途方もなく長かった。 「ちゃんとできるかしら……ありす、おしおきいや……」 「むきゅぅ~だいじょうぶよ、ありすにはぱちぇがついてるわ……ぱちぇがおしえるから、 ありすはきっとうまくやれるわ」 「ぱちゅりー……ありがと……だいすき……」 「むきゅ! ぱちぇもありすが、だいすきよ……いっしょにがんばって、ゆっくりできる ようになろうね!」 「うん! ありがと、ぱちゅりー! ありす、がんばるわ!」 「むきゅきゅきゅっ! そのいきよ、ありす! おねえさん、うそはつかないから、がん ばればきっとたいぐうはかいぜんされるわ!」 「そうね! がんばって、おねえさんのいうことききましょ! ありす、ぱちぇとまたお そとおさんぽしたいしっ!」 「むきゅ~ありすはあるくのはやいわ……おさんぽするときは、ぱちぇのはやさにあわせ てほしいわ」 「ご、ごめんね……それも、がんばるわ!」 「むきゅ! それはがんばらなくてもできるでしょ? もぅ、ありすったら、おばかさん だわ」 ──れみりゃへの食事を持った美鈴が戻ってくるまで、二匹はゆっくりと歓談した。 一方、まりさは── 「……ゅ……ぐじゅ……」 じっと見つめていても、視線すら合わせて貰えず、 「……ゆっ! ………………」 思い切って声を出すと、すごく冷たい目で見られ、 「……ゅ……ゅぅ……」 その目に圧倒されて押し黙り、 「………………」 いつしか二匹に背を向けて、とぼとぼと室内を這い回っていた。 「……ゅ……つ、つらくなんか、ないぜ……ぐしゅ……ぐすんっ……」 楽しげに会話する二匹に聞こえないような小声で、独り言を漏らす。 「……でも……さびしいぜ……」 二匹はいつになったら自分を許してくれるのだろうか。 「……まりさは……うっ、ぐじゅ、えっぐ……」 れみりゃが犯されていた木箱の陰で歩を止め、一人孤独に泣いた。 そして、あの時の事を思い出す──。 「しぶといわね……楽にして欲しい?」 あの怖いお姉さんが話しかけてきた。 答えたが、聞こえなかったようで、お姉さんは怪訝そうな顔をして近寄ってきた。 「痛いでしょ? 楽になりたい? もう殺してあげてもいいわよ」 「……ゆ゛ぐっ……も゛、もう゛、お゛ね゛がい゛……ご、ごろじでぇぇぇっ……」 死にたく無かったが、早くこの痛みから逃れたかった。 殺されるのは怖いし嫌だ──でも、早く楽になりたかった。 「……ん? ……うん……そう、わかったわ。ゆっくり、おやすみなさい」 お姉さんの手が触れる。温かい。 こんなに優しくて温かい手なのに、まりさに酷い事をした手。 その手が鈍く光る──ああ、死ぬんだと思うと、自然と口から言葉が出て来た。 「も゛、も゙っど……ゆ゛、ゆ゙っぐり゙じだがっだよ゙ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」 痛みが遠のき、眠くなってきた。 今度生まれてきた時は、もっとゆっくりできると良いな──そう思いながら目を閉じた。 何かねばねばした物を塗られている感触がした。 それで目が覚めた。 死んでいない。まだ生きている。 目の前には、あのお姉さん。 壷から白いどろっとした物を手に取って、まりさに塗りつけてくる。 「ゆっ!?」 何が起きたのか、何をされているのか、何で死んでいないのか、わからない。 「あら、起きたの? じっとしててね」 動こうにも身体は動かなかった。 痛みはほとんど消えているが、やけに身体が重い。 「不思議そうな顔してるわね」 にっこりとお姉さんは笑った。 「もうすぐ治療終わるわよ。ゆっくり感謝しなさいね」 殺してと頼んだのに、助けられてしまったらしい。 「ちゃんと私の言う事聞くなら、もっとゆっくりできるわよ」 言う事聞く……どう言う事だろう。 「わからないって顔ね。あんた言ったでしょ、もっとゆっくりしたかった、って」 言った気がする。 「だから助けてあげたの。ここでずっとゆっくりさせてあげようと思って」 ここが森ではなく、人間の家だと言う事に気付いた。 「治療が終わったら、お友達に会わせてあげるわ。ここでゆっくりするにはどうすればい いか、そのとき教えるからゆっくり理解するのよ」 お姉さんは笑った。 治療が終わると、お姉さんに抱きかかえられて、どこかに連れて行かれた。 薄暗い坂道を降りた、どこかの部屋に。 「ありす、ゆっちゅりー! お友達が起きたわよ」 部屋に入ると、お姉さんが言った。 見ると、ありすとぱちゅりーが居る。 「ほら、あんたはここよ」 床の上に置かれた、斜めに二人と向き合うような位置に。 二人は冷たい目でまりさを見て、すぐ視線を逸らした。 「あんたたちは悪いゆっくりよ」 お姉さんは、まりさたちを見下ろしていった。 「ここで自己批判をして貰うわ」 意味が良くわからない。 「私が出かけてから帰ってくるまで、まりさは『まりさはごみくずだぜ。ありすはうそつ きだぜ。ぱちゅりーもうそつきだぜ』と言い続けなさい」 酷い命令をされた。 「ありすは『ありすはうそつきです。ぱちゅりーもうそつきです。まりさといっしょです』 で、ゆっちゅりーは『ぱちぇはうそつきです。ありすもうそつきです。まりさとどうれべ るです』だからね。しっかり覚えなさい」 まりさとありすは、お姉さんに抗議した。 「他のルールは、私に逆らったらお仕置き。うそついたらお仕置き。ケンカしたらお仕置 き。この三つよ」 抗議の声を無視してお姉さんは言うと、 「まりさとありすは、逆らったからお仕置きね」 そう言って、まりさを殴った。何度も殴った。 まりさにはわからない言葉を怒鳴りながら。 「日本鬼子! 日本鬼子! 日本鬼子東洋鬼!」 謝っても許さず、泣いても許さず、叫んでも無視して、何度も何度も殴った。 「ゆっくり反省しない」 ツバを吐きかけてから、お姉さんは次にありすを殴った。 「洋鬼子! 洋鬼子! 洋鬼子!」 ありすが泣いても、謝っても、まりさにしたのと同じように何度も殴ってから、 「あんたは大中華を馬鹿にしている」 と言って、ありすのヘアバンドを奪い取ると、ハサミでありすの髪の毛を刈った。 きれいだったありすの髪は、耳とおでこが見えるよりも、もっと短く刈り揃えられた。 「洋鬼子には、それがお似合いよ」 しくしくと泣くありすを見て、鼻で笑った。 「ゆっちゅりーは、わかったわね? しっかりセリフ覚えたわよね?」 ガタガタ震えながら、ぱちゅりーはうなずいた。 「あなたは本当に良い子ね。この二匹は覚えられてないだろうから、しっかりと覚えさせ るのよ……三匹ともちゃんと自己批判できなかったら、連帯責任だから」 そのように言い置くと、お姉さんは部屋から出て行った。 とても重苦しい空気の中、まりさは二人に話しかける。 「ゆっ! ありすとぱちゅりーもぶじでよかったんだぜ!」 今はもうこの二人しか、話せる相手が居ないのだから。 「話しかけないでっ!」 「むきゅっ! まりさとはおはなししたくないわ!」 強く拒絶された。 「ゆっ!? ど、どうしてなんだぜ?」 「ありすは、まだまりさゆるしてないわ! だいっきらい! しねばよかったのに!」 「むきゅ! ぱちぇもゆるしてないわよ! おしおきはいやだから、じこひはんはおぼえ てもらうけど、それいがいではしゃべらないからっ!」 ──二人の態度は、とても冷たかった。 辛く悲しい記憶を振り払うように、まりさは目を瞑った。 昨日まで、そう昨日の夜にあのお姉さんが巣にやってくるまで、まりさは幸せな日々を 過ごしていたのに、どうしてこうなってしまったのか考えた。 「……ありすとぱちゅりーをいじめたから?」 考えた事が、口から言葉となって漏れた。 ゆっくりと、自分があの二人にした事を、思い出してみた。 「……ゆぐっ……ゆ゛っ……う゛ぁぁぁぁぁぁん゛っ!」 思い返せる限り思い出してみると、自分がどれだけ酷い事をあの二人にしてきたのか、 改めて思い知らされ、まりさは泣いた。 「……ご、ごべんな゛ざい……ありす、ぱちゅりー……」 この時、おそらく初めて、まりさは心からの謝罪を口にした。 もっと早くに謝るべきだったと後悔しながら、まりさは泣いた。 そして──泣きながら眠りに就いた。 ■END■ あとがき まずはじめに、ご笑覧いただきありがとうございます。 名前が無いと微妙かもと思いましたので、今後はA.Hと名乗らせていただきます。 結局一匹も美鈴は、ゆっくりを殺してませんね……虐殺ではなく虐待ですから。 成人向けな内容になった後編から、ざっくりと18禁描写を削除して、ちょっとだけ微調 整した全年齢版です。 成人描写を消すと、ほとんど虐待シーンが消えてしまいましたので、ちょっとだけ付け 足しをしました……温いですけどね。 個人的に二次創作は勝手に設定作るのが醍醐味と言う思想なので、俺設定が溢れかえっ ておりますので、合わない人にはまことに申し訳ない限りです。 wikiへの収録ありがとうございます。40字で改行しているので、右側に余白が大きく出 来る形となるテキストで申し訳ありません。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/127.html
ゆっくりという種族が幻想郷に突如蔓延して、どのくらい経っただろうか。 畑を荒らす害獣として駆除されたり、加工所というところでお菓子にされたりするくらいには、既に浸透していると思う。 中には俺のように、ペットして飼うものも少なからず存在していた。 「今帰ったぞ~」 「ゆっ!」 仕事が終わり、帰宅して扉を空けると、部屋の真ん中に鎮座していた生首が声を上げて駆け寄ってきた。 赤いリボンが特徴的な、ゆっくり種の中でも一番数が多いとされるゆっくり霊夢だ。 博麗の巫女によく似た顔で(と言うと、霊夢さんは怒るかもしれないが)、性格は基本的に温和で純粋無垢。 それ故にトラブルを起こすことも多々あるのだが……まぁ、その話はもうちょっと後で。 「ゆっくりしていってね!」 仕事で疲れてる俺に対する労いの言葉――ではなく、単にこいつらの口癖なのだが、兎にも角にも癒される。 可愛いなぁ、くそ。 俺の友人たちはよくこいつを買って食べているが、正直薄目に見れば人の顔そのものであるこいつらによく噛み付けるものだ。 しかも食う時に痛々しい叫び声上げるんだぜ? 悲痛すぎて言葉が出ない。 友人曰く、「お前もその内分かるようになる」らしいんだが……そういう日が来ないことを願う。 「待ってな、今晩飯作るから」 「ゆっくり待ってるね!」 ぴょんぴょん飛び跳ねて晩飯を心待ちにしていることをアピールするゆっくり霊夢。 うぅん、ぷりちー。 気持ち悪がる人もいるが、俺にとっては可愛いペットだ。 晩飯を食べ終わると、読書タイムとなる。 最近友人になったパチュリーさんから借りた本を読みながら、まったりとした時間を過ごす。 ゆっくり霊夢は何をするでもなくぼーっと、たまにぴょんぴょん部屋を飛び跳ねて、「ゆっくりしてるね!」と言っていた。 ゆっくりの声には癒し効果でもあるのか、意識を阻害されることなく読書に集中出来る。 やがて切りのいいところで本を片付け、ゆっくり霊夢と遊ぶことにした。 「ほら、取って来い!」 「ゆ! ゆ!」 フリスビーを家の壁に穴を開けない程度に軽く投げ、ゆっくり霊夢に取って来させる。 ゆっくり種はその口癖と名前から勘違いされがちだが、飛び跳ねたり、野原を駆け回ったりと意外とアクティブな存在だ。 だから運動不足にならないよう、こうして遊んであげる必要がある。 俺が仕事に行ってる間に外に出してもいいんだが、もし野生のゆっくりアリスやゆっくりれみりゃと遭遇したときのことを考えると……駄目だ、放し飼いは認められない。 「取ってきたよ!」 口にフリスビーを加えたゆっくり霊夢が戻ってくる。 「おう、偉い偉い」 ゆっくり霊夢の頭を撫でてやると、ゆっくり霊夢は嬉しそうな顔をした。 その顔を見ていると、こっちの頬まで緩んでくる。 ……それと同時に、ある感覚が心の内より現れた。 「っ……」 「?」 不思議そうにこっちを見つめるゆっくり霊夢になんでもない、と首を振り、もう一度フリスビーを投げる。 せっせと追いかけるゆっくり霊夢を見つめながら、湧き上がる感情に戸惑いを覚える。 ――ゆっくり霊夢をいじめたい。 別に虐待をしたいわけではない。可愛いペットにそんな真似をしたくはない。 しかし、こう、なんというか……ううん、説明出来ない。 「ゆっくり取ってきたよ!」 再び戻って来るゆっくり霊夢。 俺は心のもやもやを打ち払うようにゆっくり霊夢の頭を撫で、そして振動させた。 「ゆっ!?」 小刻みにバイブレーション。 最初は驚いて逃げようとしたゆっくり霊夢の顔が、少しずつ赤らんでくる。 「ゆゆゆ、ゆー!! ゆー!!!」 甲高い声。時間の経過と共に、ゆっくり霊夢はどんどん発情していく。 荒んだ心を癒してくれる礼として、こうしてゆっくり霊夢に快感を与えてあげることは毎日の日課だった。 「……」 だが、今日の俺はなんとなく、手を止めてしまった。 中途半端なところで快感をストップされたゆっくり霊夢は慌てたように俺の手に擦り寄って、 「ゆ、ゆっくりして! もっとゆっくりしていって!」 潤んだ瞳で俺を見上げるゆっくり霊夢。 その視線を浴びて、 「……!」 何故か身体がゾクゾクする。 もっと見たい。 もっとこの目で見つめられたい。 「ゆー!!! ゆー!!! ゆー!!!」 だが、それと同時に可哀想だという感情も浮かび上がってくる。 俺は手をもう一度律動させ、ゆっくり霊夢を絶頂へと導いてやった。 未知の感覚に戸惑いながら、一週間が経過した。 臨時教師として慧音さんの手伝いをした俺は彼女と彼女の友人である妹紅さんと一緒にまったりとお茶を飲みながら歓談し、上機嫌だった。 「おーう、今帰ったぞー!」 扉を開ける。 ――瞬間、先程までの高揚した気分が嘘のように蒸発した。 俺はゆっくり霊夢に、家の中はどこをうろついてもいいから絶対に机の上には乗るなと言い聞かせてあった。 机の上には俺の大事なものがたくさん置いてある。 ゆっくり霊夢はそのことを理解したかどうかは知らないが、厳しく言っておいたので飼い始めてから三ヶ月、ずっと机の上に乗ることはなかった。 だが。 帰宅した俺を待ち受けていたのは机の上に鎮座してゆっくりと眠っているゆっくり霊夢の姿だった。 「……」 俺は机に近寄って、その惨状を目撃した。 綺麗に整頓されていた机の上は見事に荒らされ、物体のほとんどが破壊されていた。 アリスさんがくれた人形も、 妖夢ちゃんが作ってくれた剣神像も、 てゐから珍しく受け取った四葉のクローバーも、 幽香さんから頂戴した花も、 にとりさんと協力して発明したトランシーバーの試作機も、 みんなみんな、見るも無残に破壊され尽くされていた。 「……」 俺はどろどろとした心のまま、ゆっくり霊夢を起こした。 「ゆ……?」 とろんとした目を開け、俺が目の前に立っているのを認識するや否や、 「ゆっくりお帰りなさい!」 いつもの挨拶。 だが、俺の心はいつものように癒されはしない。 「なぁ、ゆっくり霊夢」 「どうしたの?」 「お前、なんで、机の上に乗ってるんだ……?」 「……ゆ!?」 俺の怒りのオーラを感じ取り、ようやく約束を思い出したのか、ゆっくり霊夢は慌てたように頭を下げた。 「ご、ご、ごめんなさいだよ!」 「謝るのは後でいい、理由を説明しろ」 「あのね、蝶々がね……」 ゆっくり霊夢が言うことには昼頃、窓の隙間から現れた蝶々を捕まえようと四苦八苦し、ようやく机の上で捕まえて食べ、そのまま眠ってしまったらしい。 あまりにも夢中で、俺との約束など「うっかり」忘れてしまっていたようだった。 うっかり。 それだけの理由で、俺の大切なものは破壊され、二度と元には戻らない。 俺はゆっくり霊夢を叩こうと腕を振り上げ、 「ゆーっ!!!」 目を閉じ、ぶるぶると震える姿を見て、静かに下ろした。 とんでもないことをしたとはいえ、三ヶ月間ずっと一緒に暮らしてきたペットだ。 暴力を振るうことは、俺には出来ない。 溜息をつき、ゆっくり霊夢を持ち上げ、そっと床に降ろした。 「ゆ……?」 「晩御飯にしようか」 ぱぁ、とゆっくり霊夢の顔が明るくなった。 「ゆっくり用意してね!」 先程の殊勝さが嘘のように、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜びを露にする。 「ふぅ……」 甘いな。 まったく甘い。 俺は、許してやるなんて一言も言ってない。 その日から、俺は帰りにある場所へ寄るようになった。 必然的に帰りは遅くなり、ゆっくり霊夢と遊ぶ時間はなくなる。 更に意識して朝飯と晩飯の量を減らしたので、ゆっくり霊夢は少しずつ文句を言うようになった。 「早く帰ってきてね!」 「たくさん遊んでね!」 「もっと食べたい!」 だが、俺はその声を悉く無視した。 少し胸は痛んだが、それでもこいつにはやったことの重大さを分からせてやらねばならない。 でないと、俺の怒りが収まらない。 俺のただならぬ様子を見かねた鈴仙さんから貰った精神鎮静剤を飲みながら、俺は準備が整うのを待った。 そして――三日後。 全ての準備は整ったのだった。 ゆっくり霊夢はまどろみの中にいた。 最近は自分の主人があまりゆっくりしてくれなくなり、寂しい思いをしていた。 だが昨日の夜、寝る前に彼は言ってくれたのだ。 「ここのところ、遊んでやれなくてすまなかったな」 「一週間の休暇を取ってきたから、ずっとゆっくり過ごそう」 「ご飯も今まで少なかったけど、豪華にするぞ」 「さ、今日は一緒の布団で寝ようか」 感激したゆっくり霊夢は、わくわくした気持ちのまま眠りに付いた。 一週間も、優しい主人とゆっくり出来る! だから、早く起きないと。 ゆっくり霊夢は寝返りを打とうとして――打てない。 「……?」 身体が動かない。 自分は今だ夢の中にいるのだろうか? なんだか息苦しい…… ゆっくり霊夢は静かに目を開いた。 「……!?」 そして映った光景に飛び上が――ることが出来ず、身体を震わせた。 自分の身体は、四角い箱の中に閉じ込められていた。 『んん゛っん゛ん゛ん゛ん゛……んん゛!?』 ゆっくりしていってね! 種族反射的にそう言おうとして、言えなかった。 自分の口に猿轡が噛まされており、更にその上からガムテープを貼られている。 周りは暗い。しかし自分の視点の場所だけ小さく四角い穴が開けられており、そこから外の様子が映し出されている。 そこには―― 「すぅ……すぅ……」 「ゆ……ゆっく……」 布団で眠っている、見慣れた主人と、ゆっくり霊夢の姿があった。 『ゆ!? ゆゆゆ!!?」』 混乱して喚くゆっくり霊夢、突然の事態に理解が追いつかない。 何故自分はこんなところにいる? 主人と一緒に眠っているゆっくり霊夢は何者だ? 「うぅん……」 と、その時。 主人が眠りから目を覚まし、起き上がった。 目をこすり、横で一緒に眠っていたゆっくり霊夢を見て―― ――惚れ惚れするような太陽の笑顔で、 「ほら、起きろゆっくり霊夢、いい朝だぞ」 『ちがうよ! そいつは偽者だよ!!!』 叫びたい。 しかし、その声は届かない。 やがて偽者のゆっくり霊夢が目を開き、開口一番、 「ゆっくりしていってね!」 「おう、ゆっくり朝飯にするか。昨日の約束通り豪華にいくぞ」 「ゆっくり作ってね!」 『待って! 気付いて!!!』 ゆっくり霊夢は泣きながら、自分と偽者が入れ替わっていることに気付いてくれと願う。 だが無情にも、主人はふんふんと鼻息を歌いながら台所に向かっていった。 『あ゛あ゛っあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!』 絶望が心を支配する。 だが、気付いていないのはゆっくり霊夢のほうだった。 これはまだ、始まりにすぎないのだと。 (見ているか、ゆっくり霊夢?) 俺は料理を作りながら、心の中でほくそ笑んだ。 一緒にいたのが偽者だということくらい、先刻承知している。 何故なら二人のゆっくり霊夢を入れ替えたのも、本物のゆっくり霊夢を閉じ込めたのも、全部俺だからだ。 (それがお前への制裁だ。ゆっくり楽しんでくれ) ぞくぞくするような背徳感を感じながら、意識して本物のゆっくり霊夢が閉じ込められている箱を見ないように努める。 ゆっくり霊夢は現在、透明の四角い箱に入れられ、更にその四方と天井をダンボールの壁で一枚一枚覆っている。 そんな面倒なことしなくてもそのままダンボールを被せればいいじゃないか、と思う奴もいるかもしれないが、まぁこれにはちゃんとした理由がある。 その理由は後ほど語るとして、偽者のほうを説明しておこう。 こっちのゆっくり霊夢は三日前、ゆっくり加工所に行って手に入れたゆっくりだ。 所員に事情を説明し、余っている預かり部屋を利用して仲良くなった。 こいつには一週間、俺の家で一緒に暮らせると伝えてある。 何か変なことを言い出さないかだけ少し心配だったが、流石ゆっくり、あまり深くは考えない性質のようだ。 俺は今から、この偽者ゆっくり霊夢を最大限にもてなす。 そしてその様子を、本物のゆっくり霊夢に見せ付けるのだ。 本来なら自分が得られたはずの待遇が、突然現れた自分の偽者に奪われる。 しかもその様子をまざまざと見せ付けられ、自分は食べることも、遊ぶことも許されない。 お仕置きとして、これ以上のものはそうそうないだろう。 さぁ、ゆっくり霊夢。 お前がどれだけのことをしでかしたのか、分かってくれよ? 『う゛わ゛あ゛あああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛』 ゆっくり霊夢は絶望の淵にいた。 どれだけ暴れても、どれだけ祈っても、自分の置かれている状況はこれっぽっちも変化しない。 朝食は豪華な豚カツだった。自分は何も食べていない。 昼飯までの間、二人はゆっくり過ごしていた。自分はきつい箱の中で息苦しかった。 昼飯は二人でどこかに出かけていた。孤独感が自分を押し潰すようだった。 夕食まで、二人はずっと遊んでいた。自分はただ身体が痒いのを我慢しているだけだった。 夕食は今まで食べてきた中で一番美味しかったお寿司だった。でも、やはり自分は食べられなかった。 そして、 「ゆー……ゆゆゆゆゆ……」 偽者のゆっくり霊夢は現在、主人の手によって振動を与えられていた。 「どうだ? ゆっくりしてるか?」 「ゆ……ゆっくりぃ……してるよぉ……♪」 『ゆっくりしてない!!! れいむは全然ゆっくりしてないよぉ!!!』 ゆっくり霊夢は快感を与えられている偽者の姿を滝の涙を流して見ていた。 滂沱のごとく流れ出る溢れ出る涙。何故、自分がこんな仕打ちを受けないといけないのか? ゆっくり霊夢の頭の中に、既に約束を破ったことは残っていない。 「んほおおおおおおおおおお!」 偽者ゆっくり霊夢が絶頂を迎えた嬌声を聞きながら、本物ゆっくり霊夢はこれがいつまで続くのだろうと考えていた。 それから太陽が昇り、また沈み、そして再び昇った三日目の朝。 空腹で朦朧とした意識を抱えながら、ゆっくり霊夢をうっすらと目を開いた。 映る光景は変わらず、静かに眠る主人と、そして主人の腕を枕に眠る偽者。 ようやく暴れたり叫んだりして体力を消費することが愚かだと気付いたゆっくり霊夢は、呆とした意識のまま、事態が変わることを待っていた。 がさ……がさ…… (……?) ふと気付く。壁の右側から何か音がする。 一体何だろうか? 確かめようにも、壁があって何も見えない。 やがて偽者ゆっくり霊夢が起き出し、ぴょんぴょん飛び跳ねて主人を起こす。 「ゆっくり起きてね!」 「む……もう朝か……」 ふわぁ、と欠伸をする主人。まだ眠り足りないようだった。 「ゆっくりご飯作ってね!」 「おう……だけどその前に」 「ゆ?」 「待ってる間暇だろ? いい遊び道具があるんだ」 そう言って。 主人はゆっくりと、自分の方向へ近寄ってきた。 『!!!』 これは千載一遇のチャンスかもしれない。 ゆっくり霊夢はありったけの力で出来る限り身体を震わせ、自分がここにいることをアピールする。 『れいむはここだよ! ゆっくり探してね!』 やがて映るのは主人の足のドアップ。そして、頭上から声。 「えーと、これだこれだ」 得心したような声。 同時に、ゆっくり霊夢の右側の闇が、突如として払われた。 『……!?』 どうやら、右側の壁が取っ払られたらしい。 もしかしたら脱出の糸口になるかもと、ゆっくり霊夢は明るくなった右側を、 見た。 「――――――ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!?」 声にならない悲鳴。 閉じ込められたときよりも大きい、今までで一番の驚愕。 「ほら、蛙さんの人形だぞ」「ゆっくり楽しむね!」という主人たちの声も聞こえない。 何故なら。 そこにいたのは。 『うー♪』 『だずけ゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!』 自分と同じく箱詰めにされ、自分と同じゆっくり霊夢を食べている途中の、ゆっくりれみりゃの姿だった。 (気付いたかな……) 俺は朝食の準備に取り掛かりながら、昨夜のことを思い出していた。 ゆっくり霊夢の起床・睡眠時間は、永淋さんに頼んで作ってもらった気体状睡眠薬で周到に設定してある。 それをゆっくり霊夢の死角から呼吸用に空けておいた穴に流し込んで、眠気を調節するのだ。 だからゆっくり霊夢が起きる前に俺は起床し、加工所で買ったゆっくりれみりゃを入れた透明の箱を隣にセット。 同じく加工所で購入したゆっくり霊夢を中に入れ、準備は万端というわけだ。 箱の大きさはゆっくり霊夢に使った二倍、ちゃんと食べられるスペースはある。 ちなみに都合上ゆっくりれみりゃの口は防げないので、こちらの箱は少し値段の張る防音処理だ。 更にその上に右側――いや、ゆっくりれみりゃから見れば左側か、そこだけ空けた箱を被せてある。 偽者のゆっくり霊夢がゆっくりれみりゃに気付いて怯えたりしたら計画が台無しだからな。 そして全てを終えた俺は先程まで眠っていたフリをしていたわけだ。 自分の天敵がすぐ傍にいる恐怖。更にそいつは自分と同じ顔のゆっくりを目の前で食べているのだ。それも、毎日。 それがどれだけの恐怖か、俺には分からない。 俺の都合上、ゆっくりれみりゃは一日一匹のゆっくり霊夢しか食べられないので、かりかりして目の前のゆっくり霊夢をどうにかして食べようと躍起になるだろう。 それが更に、ゆっくり霊夢を襲う辛苦となる。 ゆっくり霊夢はどうするだろうか。 怯えてぶるぶる震えるだろうか。 我を忘れて泣き叫ぶだろうか。 それを想像するだけで、俺は――たまらない高揚感を得る。 あれから何日経過しただろうか。 ゆっくり霊夢には、もう時間の感覚が存在していなかった。 毎日毎日、自分が過ごすはずだった幸福の日々を目の前で見せ付けられる苦痛。 自分を食べようと、いらいらした様子で飛び回っているゆっくりれみりゃの恐怖。 それが何も口にしていない空腹と身動きが取れないことの不快感とごちゃ混ぜになり、混沌と化していた。 『ゆっくり……したい……』 考えることはもはやそれだけ。 些事を考える余裕など、今のゆっくり霊夢にあるはずもなかった。 「美味しかったなぁ、ゆっくり霊夢!」 「ゆっくり美味しかったね!」 ゆっくり霊夢が食べたことのない、ブ厚いステーキを食べ終わって、主人と偽者ゆっくり霊夢は満足した様子だった。 ステーキ。幾度となく食べたいと主人に言い、その度にあしらわれて食べる機会のなかったステーキ。 本来なら自分が食べていたはずの、ステーキ。 ゆっくり霊夢の中に偽者への憎悪が込み上げ、だがすぐに虚脱感に襲われ萎んでしまう。 もう、何をする気にもなれなかった。 右側には未だにゆっくりれみりゃが自分を食べようと、ぱたぱた飛び回っている。 壁がある限り襲ってこないとは分かっていても、本能的な恐怖は拭い去れない。 もう、ゆっくり霊夢の精神はボロボロだった。 「さて、遊ぶか」 「ゆっくり遊んでいってね!」 「そうだ、今日は面白い玩具があるぞ」 「本当!?」 「おう。ちょっと目隠しするぞ、楽しみにしておけ」 「ゆっくりわくわくするね!」 食事の片付けが終わった主人は、偽者ゆっくり霊夢に目を布で縛っていた。 そして、本物ゆっくり霊夢の方向に歩み寄る。 『……!』 主人が自分の方に近付くのは、どれだけ久しいことか。 ゆっくり霊夢の中に、淡い希望が芽生えた。 もう身体を震わせる体力は残っていない。 ただ、主人が自分を見つけてくれることを祈るだけだ。 「えーと、何処だったかな……」 しかし、主人は期待も空しく、ゆっくり霊夢の死角へと移動してしまった。 希望が潰える。しかし、落胆する体力すらない。 自分の左側からがそごそという音。 結構時間がかかっている。 「お、あったぞ!」 ようやく主人が喜びの声を上げた。 と、同時。 いつかのときと同じく、ゆっくり霊夢の左側の壁が取っ払わらわれた。 反射的に、視線がそちらへ泳ぐ。 そして。 また、いた。 『れ、れれ゛い゛むぅぅぅぅ゛ぅ゛ぅ゛う゛ううぅ゛ぅ゛!!!』 『ゆ゛! ゆ、ゆゆゆゆ゛っく゛り゛し゛て゛ぇぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!』 発情し、顔は真っ赤にして目を血走らせたゆっくりアリスと。 そのアリスに襲われ、世にも恐ろしい顔で絶叫を上げる同種のゆっくり霊夢の姿があった。 『…………!!!』 世にも恐ろしい光景に、悲鳴を上げることも出来ず、咄嗟に目を逸らすゆっくり霊夢。 だが逸らした先には、 『うー!!!』 空腹で般若の表情をしたゆっくりれみりゃが、自分を食べようと壁をかりかり引っ掻いている。 『……!! …………!!!』 まさに前門の虎、後門の狼。 ゆっくり霊夢はただ、この状況をなんとかしてくれと願いしかない。 やがてゆっくりアリスが交尾を終えると、ゆっくり霊夢は黒く朽ち果てるのと同時に蔦を伸ばし、子供を生む。 ゆっくりれみりゃの箱より更に四倍は大きい箱の中で、小さな赤ちゃんゆっくり霊夢がぽんぽんと生まれた。 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね!』 『れ、れいむ……れ゛い゛む゛ぅぅぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!』 だが、その瞬間。 発情が収まらないゆっくりアリスが、なんと赤ちゃんゆっくり霊夢に襲い掛かった。 『ゆ゛!? ゆ゛ゆ゛っ!?』 赤ちゃんゆっくり霊夢は突然の出来事に暴れるが、成人したゆっくりアリスに力で適うはずもなく。 他の赤ちゃんゆっくり霊夢たちは、怯えて隅に固まる。 そして交尾は終わるが、赤ちゃんゆっくりは黒ずんだだけで、子供を生むことはなかった。 ゆっくりアリスはその様子はじっと見つめた後、 ぎらり、とその視線を他の赤ちゃんゆっくりたちに移した。 その顔は、未だ発情したまま留まっており。 始まる、地獄絵図。 ゆっくり霊夢が覚えているのは、ここまでだった。 ついにゆっくり霊夢は意識を失い、失神してしまった。 冷たい、空気。 ゆっくり霊夢が目を開くと、そこは今まで暮らしていた部屋の中だった。 「……ゆっく!?」 吃驚して声を上げる。 声が、出る。 ゆっくり霊夢はもう猿轡をしておらず、狭い箱の中にも閉じ込められていなかった。 何が起こっているのか。 周囲を見渡すが、左右にゆっくりれみりゃやゆっくりアリスの姿は見当たらない。 あるのは、激しい空腹感だけ。 「ゆ、ゆっくりー!!!」 とにかく、理由は分からないが助かったことだけは分かり、ゆっくり霊夢は歓喜の声を上げた。 と、そこに、 「おう、起きたか?」 台所で朝食の支度をしていた主人が、ゆっくり霊夢の方を振り向いた。 「ゆっ……」 その顔を見た瞬間、今までの監禁生活で押さえ込んでいた様々な感情が溢れ出し。 ゆっくり霊夢は号泣しながら、主人の足元に飛びついた。 「う゛わ゛あ゛あああ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ゛ん゛!!!」 「おいおい、どうしたんだよ?」 主人は優しくゆっくり霊夢の身体を抱きかかえ、その涙を拭ってやる。 「ゆ、ゆ゛っく゛りて゛きる″! ゆっくりできるよぉぉぉ!!!」 「あぁん、お前何言ってるんだ……?」 わけが分からん、といった具合に主人は首を捻った。 だがその顔が笑いを堪えていることに、果たしてゆっくり霊夢は気付いているのだろうか? 「まぁいいや、朝食にするぞ」 「ゆ! 朝ごはん!?」 とにかくお腹が空いていた。寿司、ステーキ、自分が食べられなかった数々の豪華な食事を思い出し、思わず涎がこぼれそうになる。 激しい期待を込めて、調理中の料理を覗き込むゆっくり霊夢。 「……ゆ?」 だが、そこにあったのは、人参、椎茸などの普通の野菜ばかり。 しかもその量はかなり少なく、この空腹を満足させられる代物だとは到底思えなかった。 「も、もっといっぱい欲しいよ!」 「あー、悪い。今まで一週間贅沢したツケでな。今日から一ヶ月くらいこれで我慢してくれ」 「ゆっくり!?」 嘘だ、とばかりにゆっくり霊夢は絶叫を上げた。 「やだ! 食べたい!! れいむもステーキとかゆっくり食べたい!!!」 「お前、あんだけ食べてまだ足りないのか? 少しは限度ってもんがあるだろ」 「食べてない! れいむは食べてないよ!!」 「嘘をつくなよ!」 主人の厳しい叱責。びくりとゆっくり霊夢の身体が震える。 主人にとって、あの偽者が本物だったのだ。 あまりの理不尽に、ゆっくり霊夢は涙を流して訴える。 「違うの! 今までのれいむは偽者だったんだよ!! だかられいむは食べてないの!!!」 「いい加減にしろ!」 主人はがっしりとゆっくり霊夢の頬を掴み、言い聞かせるように耳元に囁いた。 「これ以上文句を言うなら、『ゆっくり出来ないようにする』ぞ」 「――!!!」 ゆっくり、できないように、する。 その一言は、ゆっくり霊夢のトラウマを蘇らせた。 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 絶叫。涙の奔流が止め処なく溢れ出る。 「ごめ゛ん“な゛ざいぃ゛、ごめ゛ん゛な゛さ゛い゛ぃ゛ぃぃ!!! わがまま言わないからゆ゛る゛し゛て゛ぇ゛ぇぇぇ!!!」 「ごめ゛ん“な゛ざいぃ゛、ごめ゛ん゛な゛さ゛い゛ぃ゛ぃぃ!!! わがまま言わないからゆ゛る゛し゛て゛ぇ゛ぇぇぇ!!!」 その言葉を聞いた瞬間、俺は今までの人生で味わったことのない幸福感に包まれていた。 涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、謝罪の言葉を口にするゆっくり霊夢。 その哀れな表情が……この上なく、俺の快感となる。 「じゃあ、文句は言わないな?」 「うん……」 「よーし、いい子だ。早苗さんから貰った野菜だぞ、ゆっくり味わって食べろよ?」 「ゆっくり食べるよ……」 消沈した様子のゆっくり霊夢。 それを見て、愛しさが込み上げてきた。 「ああもぅ、可愛いなぁお前は!」 ゆっくり霊夢を抱きしめて頬ずりする。 やっぱりこいつは最高のペットだ! 酷いことしたと思うって? でもそれって俺の愛なんだ! 愛ならしょうがないよね!!